昨今、物価高に関する報道も多く、2025年3月10日に帝国データバンクが公表した「カレーライス物価(※)」では、2025年1月のカレーライス物価は前年同月比で79円上昇し、1食あたり396円となりました。物価高騰に苦しむ家庭も多いですが、そんな日本でも、富裕層が増え続けているという事実をご存知でしょうか。

なぜ日本で富裕層が増えてきているのか、本記事では日本の富裕層の割合や増加傾向にある理由を紐解いていきます。

その中で、富裕層の日々の消費行動やお金の使い方から、富裕層がどう考え行動しているかも合わせて確認することで、富裕層たる理由について、私たちがうまく真似できるところがないのかも確認していきます。

※カレーライス物価:カレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを独自に試算した指数

1. 「億超え資産家」である富裕層の割合はどのくらい?

野村総合研究所(NRI)のニュースリリースでは、日本の全世帯を純金融資産の額によって5つの階層に分け、「マス層」から「超富裕層」までの世帯数や資産規模の推計が発表されています。

純金融資産保有額別の世帯数と資産規模

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」(2025年2月13日)

1.1 日本に富裕層はどれほどいる?(保有資産規模別/世帯数)

  • 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯/135兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯/334兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯/333兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯/282兆円
  • マス層(3000万円未満):4424万7000世帯/711兆円

日本の「富裕層」と「超富裕層」を合わせた世帯数は165万3000世帯に達し、全世帯の約3%を占めます。また、富裕層予備軍ともいえる「準富裕層」は403万9000世帯。

これらの世帯が保有する資産は合計で約469兆円に達し、日本の全世帯の保有資産額の約4分の1が、富裕層と超富裕層となっており、資産が少数の「トップ層」に集中している現状がみてとれます。

1.2 「富裕層・超富裕層」が増え続けている理由とは

同リリースによれば、富裕層および超富裕層世帯の純金融資産総額は、2013年以降継続的に増加しています。

その理由として、株式などの資産価格の上昇により、これらの世帯の資産が増えたことが挙げられます。

また、資産運用によってさらに資産を増加させた結果、準富裕層が富裕層へ、富裕層が超富裕層へと階層が上がるケースが増加していることも指摘されています。

さらに、少子高齢化が進展する中で、相続する若年層が減少しており、親や祖父母から残された資産が少数の兄弟や一人っ子に相続される割合が増えていくことが予測されています。

そのため、少数の世帯に資産が集中する傾向は、今後さらに強まる可能性が高いと考えられます。