3.3 理由3：年金の不整合記録問題が関係しているから
年金に関する記録の不整合が発生すると、低年金や無年金のリスクが高まるため、十分な注意が必要です。
この問題は「3号不整合記録問題」として知られており、特に第3号被保険者が扶養から外れる際に手続きの漏れが生じることで発生します。
日本の国民年金は、第1号、第2号、第3号の3つの被保険者区分に分かれています。
「第3号被保険者」とは、公務員や会社員に扶養されている配偶者で、年金保険料を自分で納める必要がない立場の人です。
しかし、扶養から外れる、または離婚するなどの理由で第3号被保険者の資格を失うと、その後は「第1号」または「第2号被保険者」として扱われ、年金保険料の支払いが求められます。
この際、手続きが抜けていると「年金保険料の未納期間」が発生し、結果的に低年金になるリスクが高くなります。
最悪の場合、受給資格期間が足りず、年金を全く受け取れない事態にも繋がりかねません。
もし「3号不整合記録問題」に該当する可能性がある場合は、早急に年金事務所に相談し、救済措置を受けることをおすすめします。
4. まとめにかえて
今回は、老後に受け取る年金が「少なくなる人」の特徴と、その対策方法について解説しました。
これまで日本円で貯蓄を続けてきた方も、外貨などを活用して資産を分散することで、物価変動の影響を抑えながら資産価値を維持することが期待できます。
将来の生活を見据え、自分の資産バランスを一度見直してみることが大切かもしれませんね。
参考資料
- 厚生労働省「2023（令和5）年 国民生活基礎調査の概況」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「年金を受けとるために必要な期間が10年になりました」
- 日本年金機構「3号不整合記録問題とは何ですか。」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
- 国民年金機構「国民年金保険料の追納制度」
- 日本銀行情報サービス局「「生活意識に関するアンケート調査」（第99回＜2024年9月調査＞）の結果 」
足立 祐一
