1.1 年金支給停止となっている人はどれくらいいる?

厚生労働省によると、年金と給与・賞与の合計が50万円を超え、年金が支給停止となっている人の数や割合、支給停止額は以下のとおりです。

在職年金受給権者数&支給停止対象者数

在職年金受給権者数&支給停止対象者数

出所:厚生労働省「在職老齢年金制度について」

  • 停止対象者:65歳以上の在職年金受給権者308万人のうち50万人(16%)
    ※停止対象者(全体)受給権者2845万人のうち1.7%
  • 支給停止対象額:約4500億円

65歳以上で働きながら年金を受給している308万人のうち、50万人が在職老齢年金制度により年金の支給が停止されています。割合に換算すると16%で、約6人に1人の働くシニアが、年金の支給停止措置を受けているのです。

こうした状況から、現在の在職老齢年金制度は「実質的な働き損を招く」といった意見があがっています。次章では在職老齢制度の課題を解説します。