2. 60歳代・70歳代の貯蓄額はどのくらい?

60歳代や70歳代の方の貯蓄額の平均値と中央値について、金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」と「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」をもとに解説していきます。

なお、平均値とはデータの値の合計をデータの個数で割った値で、中央値とはデータの値を小さい順に並べたときに、ちょうど真ん中になる値のことをいいます。

平均値はデータの中に極端に大きなまたは小さな値があると、その影響を受けやすく実際の平均とはかけ離れることがあります。しかし、中央値は影響を受けにくいため、実際の平均に近い数値となります。

そのため、実際の平均を知るには中央値の方が適しているとされています。

2.1 60歳代の貯蓄額の平均値と中央値

60歳代の二人以上世帯の貯蓄額は、平均値が2026万円、中央値が700万円です。平均値と中央値に大きな差がありますが、実際の感覚として中央値の700万円を平均とらえるのが適しています。

一方、60歳代の単身世帯の貯蓄額は、平均値が1468万円、平均値が210万円です。

二人以上世帯・単身世帯ともに、平均値と中央値が大きくかけ離れていることから、貯蓄の多い世帯と少ない世帯の差が大きくなっていると考えられます。