2.2 70歳代の貯蓄額の平均値と中央値
70歳代の二人以上世帯の貯蓄額は、平均値が1757万円、中央値が700万円です。単身世帯では、平均値が1529万円、中央値が500万円という結果となっています。
60歳代と比較して、二人以上世帯の中央値は同額ですが、単身世帯は300万円程多くなっています。
老後資金は2000万円が必要ということが話題になりましたが、60歳代・70歳代ともに1000万円に届いていないのが現状のようです。
3. まとめにかえて
厚生年金の平均受給額は14万6429円ですが、10万円未満という方も20%強を占めています。およそ5人に1人は10万円未満ということになり、老後の生活費をカバーすることが難しい方が多いと考えられます。
公的年金で生活費をまかなえない場合は、貯蓄を取り崩す必要があるケースが多いため、現役のうちから老後資金の準備を着実にすすめておきたいものです。
しかし、必要な貯蓄金額は、寿命やライフスタイル、家族構成などにより異なるため、正確にはわかりません。無理のない範囲でできるだけの資金を準備していきましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
木内 菜穂子