秋風が心地よい季節となりました。2025年度の公的年金の金額が、物価や賃金の変動を反映して見直され、前年度から1.9%の引き上げとなりました。

これにより、2025年4月・5月分の年金から新しい金額が適用されています。例えば、国民年金の満額は月額6万9308円となり、厚生年金では夫婦2人分で23万2784円となっています。この改定は年金を主な収入源とするシニア世代の方々にとって重要な要素になります。

次回の年金支給日である10月15日を前に、今回は「60歳から89歳まで"ふつうの人"の年代別・年金一覧表」を解説します。ご自身の年金が平均と比べてどうなのかなど参考程度にみてはいかがでしょうか。

1. 60~69歳まで"ふつうの人"の年金を一覧表でチェック!

ここからは、今のシニア世代が実際にどのくらいの年金を受け取れているかを見ていきましょう。60歳代~80歳代の各年齢の平均年金月額を、厚生年金と国民年金それぞれ確認します。

なお、ここで紹介する厚生年金の月額には、国民年金(老齢基礎年金)の月額部分が含まれます。

1.1 【厚生年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)

  • 60歳:厚生年金9万6492円
  • 61歳:厚生年金10万317円
  • 62歳:厚生年金6万3244円
  • 63歳:厚生年金6万5313円
  • 64歳:厚生年金8万1700円
  • 65歳:厚生年金14万5876円
  • 66歳:厚生年金14万8285円
  • 67歳:厚生年金14万9205円
  • 68歳:厚生年金14万7862円
  • 69歳:厚生年金14万5960円

1.2 【国民年金一覧表】60歳代の平均月額(60〜69歳)

  • 60歳:国民年金4万3638円
  • 61歳:国民年金4万4663円
  • 62歳:国民年金4万3477円
  • 63歳:国民年金4万5035円
  • 64歳:国民年金4万6053円
  • 65歳:国民年金5万9599円
  • 66歳:国民年金5万9510円
  • 67歳:国民年金5万9475円
  • 68歳:国民年金5万9194円
  • 69歳:国民年金5万8972円

老齢年金の一般的な受給スタート年齢は原則65歳。

65歳未満は繰上げ受給(※1)を選んだ人や、特別支給の老齢厚生年金(※2)の報酬比例部分のみを受給している人の年金額となるため、厚生年金・国民年金ともに65歳以降よりも少なめです。

65歳から69歳までの平均年金月額は、厚生年金14万円台、国民年金5万円台となっています。

※1 繰上げ受給:老齢年金を60歳~64歳までで前倒しして受け取ること。繰上げた月数に応じて年金が減額(0.4%/月)され、一度決まった減額率は生涯変わりません。
※2 特別支給の老齢厚生年金:昭和60年の法改正により厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられた際、受給開始年齢を段階的に引き上げるために設けられた制度。年齢など一定条件を満たす場合に受け取ることができます。