ファイナンシャルアドバイザーとして、毎月の支出を見直してアドバイスをしていると、「どれくらいお金を使ってるか、はっきり分かっていない」という方が結構多いです。

ただ、将来に向けてお金をしっかり貯めるためには、自分の支出や貯金ペースを知っておくことが大事です。

特に、老後の生活費を見越して、今からきちんと管理できていると、将来困ることなく生活できる可能性が高まるでしょう。

では、あ実際に65歳以上の夫婦世帯の生活費はどのくらいか、気になりますよね?

そこで今回は、老後生活を送る世帯のリアルな生活費について、深掘りしていきます。

1. 【厚労省公表】令和7年度の年金額は《1.9%増額》3年連続プラス改定も…。

2025年1月25日、厚生労働省が令和7年(2025年度)の年金額を、前年度から1.9%引き上げることを公表しました。改定後の月額は、国民年金の満額は6万9308円、厚生年金のモデル夫婦世帯は23万2784円です。

ただし実際に支給される年金額は、現役時代の年金加入状況により人それぞれ。

※1 昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2 男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。

ただし「マクロ経済スライド」によって物価上昇率を下回る改定率となっており、実質的には「年金額は目減りしている」点には注意が必要です。

実際に今のシニア世代が受け取る年金額の平均も見てみましょう。

1.1 国民年金・厚生年金「ひとり分の平均月額」はいくら?

「厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2023年度末現在、一人分の年金月額の平均は、国民年金(老齢基礎年金)5万7584円、厚生年金(国民年金部分を含む)14万6429円です。

【一覧表】国民年金・厚生年金「ひとり分の平均年金月額」

国民年金・厚生年金「1人分の平均年金月額」

1人分の、厚生年金・国民年金の平均月額

出所:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

老後の年金額は世帯単位で把握しておきたいものですね。「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」を活用するのがおすすめです。

現役時代の働き方や過ごし方、厚生年金であれば年収によっても年金受給額には個人差が出るため、平均額を鵜呑みにするのは避けましょう。

次では今のシニア世代の「年金に対する意識」について見ていきます。