4. 【最新】2025年度の「厚生年金と国民年金」はいくら?
2025年1月24日、厚生労働省より2025年度の年金額が公表されました。
- 国民年金(老齢基礎年金(満額)):6万9308円(1人分※1)
- 厚生年金:23万2784円(夫婦2人分※)
※1昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額6万9108円(対前年度比+1300円)です。
※2男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
上記の試算は、特定の条件に基づいた夫婦合計の年金額である点に注意が必要です。
なお、上記で提示した金額はあくまで一例であるため、「自分たちのケースはどうなるのだろう?」と考える方も多いでしょう。
そのため、厚生労働省では、働き方に応じた年金額のモデルケースをいくつか提示しています。
4.1 ①厚生年金期間中心の男性のケース
年金月額:17万3457円
- 平均厚生年金期間:39.8年
- 平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
- 基礎年金:6万8671円
- 厚生年金:10万4786円
4.2 ②国民年金(第1号被保険者)期間中心の男性のケース
年金月額:6万2344円
- 平均厚生年金期間:7.6年
- 平均収入:36万4000円
- 基礎年金:4万8008円
- 厚生年金:1万4335円
4.3 ③厚生年金期間中心の女性のケース
年金月額:13万2117円
- 平均厚生年金期間:33.4年
- 平均収入:35万6000円
- 基礎年金:7万566円
- 厚生年金:6万1551円
4.4 ④国民年金(第1号被保険者)期間中心の女性のケース
年金月額:6万636円
- 平均厚生年金期間:6.5年
- 平均収入:25万1000円
- 基礎年金:5万2151円
- 厚生年金:8485 円
4.5 ⑤国民年金(第3号被保険者)期間中心の女性のケース
年金月額:7万6810円
- 平均厚生年金期間:6.7年
- 平均収入:26万3000円
- 基礎年金:6万7754円
- 厚生年金:9056円
年金額は個々の状況によって異なるため、自分の年金額を正確に把握するためには、自分の年金記録を確認することが不可欠です。
実際の年金額は、収入や働いた期間などに大きく影響されるため、個人差が非常に大きいです。
そのため、正確な年金額を知りたい場合は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を利用して、自分の年金記録をチェックすることをおすすめします。
5. まとめにかえて
今回は、65歳以上の無職夫婦世帯の生活状況について詳しく見てきました。
夫婦ともに厚生年金を受給していれば、現在の物価水準でもある程度の生活は可能かもしれません。 しかし、実際には夫婦共に長く働き続けたケースはまだ少なく、十分な年金を受け取れない世帯も多いのが現状です。
老後の生活に備えるためにも、現役世代のうちから計画的な資産形成を進めておきたいですね。
参考資料
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)平均結果の概要」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省「これまでの年金部会も踏まえてご議論いただきたい論点」
- 厚生労働省「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通しー令和6(2024)年財政検証結果ー」
- 厚生労働省「令和7年度の年金額改定についてお知らせします」
足立 祐一