2025年1月24日、日銀が追加利上げを決定。預金金利も少し上昇していますが、老後資金の準備に励む年代の人たちは、年1%に満たない金利での資産形成に焦りを感じているかもしれません。

そんな中、少額投資非課税制度「NISA」を活用した資産形成を検討している人もいるでしょう。

仮に、50歳~65歳までの15年間、毎月5万円を積立投資した場合、資産をどのくらい作れるのか。本記事でシミュレーションを行い期待値を確認してみます。

1. 新NISA(少額投資非課税制度)のキホン

新NISA「非課税」のしくみ、2枚目以降で、新NISAの特徴や、積立投資シミュレーション結果を見る!1/5

新NISA「非課税」のしくみ

出所:金融庁「NISAを知る」

NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は、2014年にスタートした税制優遇制度です。2024年1月から大幅に改正され、「新しいNISA(新NISA)」としてより充実した内容に生まれ変わりました。

NISAの最大の魅力は、投資で得た利益が非課税になる点です。通常の証券口座(特定口座や一般口座)では、運用益に対して20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金が課されますが、NISA口座ではこの税金がかかりません。

NISA口座は、日本国内に住む18歳以上(※)の人であれば誰でも開設できます。一人1口座に限られますが、金融機関のは年単位で変更できます。これらのルールは新旧NISAで共通です。

今回は2年目を迎えた「新NISA」の仕組みや特徴を、改めて整理してみましょう。

※ただし、利用する年の1月1日時点で18歳以上の人が対象です

1.1 新NISAは「つみたて投資枠+成長投資枠」どちらも使える

新NISAは「つみたて投資枠+成長投資枠」どちらも使える2/5

【新NISA】「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の特徴

出所:金融庁「NISAを知る」

  • 非課税保有期間は無期限
  • 「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用OK
  • 年間投資枠は、つみたて投資枠「年間120万円」・成長投資枠「年間240万円」
  • 非課税保有限度額は1800万円(内、成長投資枠1200万円)※枠の再利用可能
  • つみたて投資枠の投資対象商品は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」
  • 成長投資枠の対象商品は「上場株式・投資信託等」

「投資」には、元手としてまとまった資金が必要だと考える人もいるかもしれませんね。

しかし近年では、最低購入金額を100円、500円といったワンコインに設定したり、単元未満株を取り扱ったりする証券会社も増えています。無理のない金額で、少しづつ投資を進めていくこともできるでしょう。

NISAのつみたて投資枠を活用して毎月一定額を積み立てていくと、時間をかけてリスクを分散しながら資産を増やす効果が期待できます。

ただし、個別株の売買とは異なり、資産の増え方が具体的にイメージしにくいと感じる人もいるかもしれませんね。

そこで、次では、新NISAのつみたて投資枠を活用して積立投資を継続した場合、資産がどのように育つのかを見てみましょう。想定利回り1~5%における期待値をシミュレーションしていきます。

2. 【新NISA積立投資】50歳~65歳「月5万円積立」で資産はどう育つ?

新NISAを活用した積立投資を継続すると、資産はどのように育っていくのでしょうか。想定利回り1~5%で期待値をシミュレーションしてみましょう。

2.1 《1~5%》想定利回り別シミュレーション

条件

  • 目標:50歳から65歳までの15年間で老後資金をつくる
  • 積立額:毎月5万円
  • 運用商品:「安定的な運用」を重視した、想定利回り1~5%の投資信託

シミュレーションの結果は次のとおりです。

【新NISA】想定利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果3/5

【新NISA】運用利回り別「月5万円」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

2.2 【シミュレーション結果】積立投資「毎月5万円」×15年×「年1~5%」

想定利回り:資産評価額(元本部分は900万円)

  • 年1%:970万6000円
  • 年2%:1048万6000円
  • 年3%:1134万9000円
  • 年4%:1230万5000円
  • 年5%:1336万4000円

15年間、毎月5万円を積立投資した場合の元本は900万円。運用成績によっては、約70万~436万円の利益が出て、資産が1000万円以上に育つ可能性もあります。

ただし、投資にはリスクが伴う点に注意が必要です。例えば、5%程度のリターンを期待する場合、同程度の損失が発生する可能性もあることを理解しておくことが大切です。

3. 【新NISA積立】50歳~65歳で「2000万円」を作るには毎月いくら必要?

ひところから夫婦の老後資金の目安の一つとなった「2000万円」。これを、積立投資で準備する際についてもシミュレーションしてみましょう。

50歳から65歳までの15年間で、想定利回り3%の投資信託を積み立てる場合、毎月の積立額はいくらになるでしょうか。

【新NISA】積立金額別「想定利回り3%」積立投資シミュレーション結果4/5

【新NISA】積立金額別「運用利回り3%」積立投資シミュレーション結果

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」をもとにLIMO編集部作成

3.1 【積立金額別】15年間×3%の積立投資をシミュレーション

毎月の積立金額:資産評価額

  • 1万円:227万円
  • 3万円:680万9000円
  • 6万円:1361万8000円
  • 9万円:2042万8000円
  • 12万円:2723万7000円

※想定利回り:年3%

シミュレーションの結果、想定利回り3%で15年間運用した場合、毎月9万円を積み立てることで資産が「2000万円超」になることがわかりました。

ただし、多くの世帯にとって毎月9万円の積立は「少額」とは言いにくいでしょう。また、利回りも確約されたものではありません。そのため、目標額に届かない可能性があることも心得ておく必要があるでしょう。

老後資金を目的とした積立投資は、早く始めるほど効果的です。20代や30代から始めても決して早すぎることはありません。

例えば、30歳から65歳までの35年間で2000万円を目標とする場合、同じく3%の利回りを想定すると、毎月の積立額は「約2万7000円」となります。

このように、運用期間を長くとることで毎月の負担を大幅に抑えることができます。早めの資産運用スタートを、老後の安心感に繋げていけたら良いですね。

4. まとめにかえて

新NISAの制度のおさらいと、積立投資した場合のシュミレーション結果について確認しました。

現在、幅広い年代の方が将来の資産形成にNISAを活用しています。

ただし、NISA制度を通じて投資するものは、元本割れの可能性がある株式や投資信託等です。

投資リスクを理解し、自分の資産形成における意向に合っているのかを確認した上で始めることが重要です。

5. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問を解説

年金Q&Aまとめ5/5

年金Q&A

出所:日本年金機構などをもとにLIMO編集部作成

「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。

5.1 年金の仕組みってどうなってるの?

まず、日本の公的年金は「2階建て」構造です。下の階が「国民年金」、その上に「厚生年金」があるイメージです。

国民年金

国民年金は、20歳から60歳未満の全員が加入対象。特に自営業やフリーランスの方がメインです。

毎月決まった金額を支払います。いわば、年金の基礎部分です。

厚生年金

厚生年金は、会社員や公務員の方が加入対象です。こちらは収入に応じて保険料が変わるので、もらえる年金額も収入の影響が大きくなってきます。

そのため、個人差が出やすくなっています。

5.2 「繰下げ受給」って実際どうなの?

通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。

たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。

もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。

5.3 年金や老後資金をもっと増やすには?

繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。

国民年金の付加保険料を払う

自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。

厚生年金に加入する

もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。

資産運用に挑戦

iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。

ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。

これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?

ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。

参考資料