2024年11月、低所得者世帯への「3万円給付」および「子ども1人あたり2万円」の支給が決定されました。
具体的な支給スケジュールや申請方法等は自治体によって異なりますが、早ければ1月から支給が開始される自治体もあるようです。
今回は、低所得者世帯への給付金の概要に加え、住民税課税世帯を対象に行われた「定額減税」について解説します。
また、住民税課税世帯がどのくらいあるのか、年代ごとの割合も確認しましょう。
1. 低所得者世帯への「3万円給付」「子ども1人あたり2万円の追加支給」が決定
2024年11月、低所得者世帯への「3万円給付」および「子ども1人あたり2万円の追加支給」を含む補正予算案が可決されました。
本給付金の支給対象となるのは「住民税非課税世帯」であり、一世帯あたり3万円を目安に支給される見込みです。
2. 住民税がかからない年収はいくら?非課税の目安をわかりやすく解説
住民税非課税世帯になる年収の目安は、住んでいる自治体によって変わる可能性があります。例えば、東京都港区では以下の年収が目安となります。
- アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
- 不動産収入等所得がある人は、収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下(令和2年度まで35万円以下)
65歳以上で年金受給のみの方は155万円以下となるので、給与所得者などに比べて基準額が高くなります。
3. 住民税課税世帯に支給された「定額減税補足給付金」について
今回の給付金の対象となるのは住民税非課税世帯ですが、課税世帯については2024年に「定額減税」が実施されています。
また、減税しきれないと見込まれる方には「定額減税補足給付金」が支給されました。
例えば、北海道札幌市では、世帯および年収別に見た調整給付のモデルケースを提示しています。
3.1 単身世帯の定額減税補足給付金
- 年収150万円の調整給付額:2万円
- 年収200万円の調整給付額:1万円
- 年収250万円の調整給付額:0円
3.2 夫婦+子ども2人(大学生・高校生)の4人世帯の定額減税補足給付金
- 年収300万円の調整給付額:16万円
- 年収500万円の調整給付額:8万円
- 年収700万円の調整給付額:0円
3.3 年金所得者の夫婦世帯の定額減税補足給付金
- 年収300万円の調整給付額:16万円
- 年収500万円の調整給付額:8万円
- 年収700万円の調整給付額:0円
4. 住民税課税世帯の割合は?全国でどれくらいの人が該当する?
厚生労働省の「令和5年国民生活基礎調査」から、各年齢層の住民税課税世帯の割合を見てみます。
- 30歳代:88.0%
- 40歳代:90.0%
- 50歳代:86.4%
- 60歳代:78.3%
- 70歳代:64.1%
- 80歳代:47.5%
60~80歳代にかけて住民税課税世帯の割合が下がっていることがわかります。
65歳以上になると住民税が非課税となる年収の基準が155万以下に上がることや、現役時代よりも収入が減少することなどから、非課税世帯の割合が多くなっています。
5. 給付金制度を正しく理解して、今後の支援に備えよう
低所得者世帯への「3万円給付」および「子ども1人あたり2万円」の給付金の支給が決定しました。
ただし、給付金を受け取るには「住民税非課税世帯」である必要があります。
支給時期等は自治体によって異なりますが、早ければ1月中に振り込まれるケースもあるようです。
お住まいの地域が公表する情報を確認し、必要に応じて申請手続きを行いましょう。
参考資料
- 内閣府「「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」について」
- 厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」
- 財務省「令和6年度補正予算」
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 札幌市「定額減税補足給付金(調整給付金)のモデルケース」
加藤 聖人