3. 【生活保護】8つの扶助や支給額の例

最後に、生活保護とはどのような制度なのかをおさらいしておきます。

3.1 生活保護「8つの扶助」とは

生活保護は、8種類の扶助があり、それぞれ必要に応じて定められた範囲内で費用が支給されます。

生活保護:8つの扶助

生活保護:8つの扶助

出所:厚生労働省「生活保護制度」

  1. 生活扶助
  2. 住宅扶助
  3. 教育扶助
  4. 医療扶助
  5. 介護扶助
  6. 出産扶助
  7. 生業扶助
  8. 葬祭扶助

医療扶助・介護扶助については、費用が直接、医療機関や介護事業者へ支払われます。

収入がある生活保護世帯もありますので、生活保護費は、厚生労働大臣が定める「最低生活費」より収入が少ない場合に、その差額が保護費として支給される仕組みです。

保護費の支給イメージ

保護費の支給イメージ

出所:厚生労働省「「生活保護制度」に関するQ&A」

なお、最低生活費はお住まいの地域や世帯構成などにより異なります。都市部と地方の生活扶助基準額の例を見てみましょう。

生活扶助基準額の例(2023年10月1日現在)

生活扶助基準額の例(2023年10月1日現在)

出所:厚生労働省「「生活保護制度」に関するQ&A」

東京都区部等に住む3人世帯(33歳・29歳・4歳)の生活扶助基準額は16万4860円ですが、地方郡部等は14万5870円です。

単身高齢者は、東京都区部等に住んでいる場合7万7980円。地方郡部等に住んでいる場合は6万8450円となります。

冒頭で申し上げた月額500円引き上げの特例加算は、この生活扶助におけるの臨時的・特例的な対応です。

4. まとめにかえて

生活保護の現状について、厚生労働省の資料をもとに確認してきました。

光熱水費や食品、生活必需品などの値上げが続き、生活費は膨らむ一方です。こうした状況を鑑み、政府は生活保護世帯への生活扶助に特例加算として1人あたり1000円を増額していました。さらに、2025年度・2026年度は月額500円増額となります。

生活保護は申請が必要です。世帯全員が、働いて収入を得る、預貯金を活用する、不動産などを資金化するなど、能力や資産を活用してもなお最低限の生活が困難であることが要件となります。

生活保護については、お住まいの地域を所管する福祉事務所にてご相談ください。

※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。

参考資料

和田 直子