1.1 年金から天引きされるお金1:所得税

年金から天引きされる税金の一つに「所得税」があります。所得税は、個人の所得に対して課される税金で、年金収入も「雑所得」として課税対象となります。ただし、一定額以下の年金収入であれば所得税はかかりません。

たとえば、65歳以上の場合、公的年金控除(110万円)と基礎控除(48万円)を合わせた158万円以下の年金収入であれば、所得税は非課税です。

65歳以上の人が、公的年金等の支払いを受ける場合、年金額158万円超になったら源泉徴収が行われ、所得税が差し引かれた上で振り込まれます。

源泉徴収されるのは、原則として収入金額からその年金に応じて定められている一定の控除額を差し引いた額に「5.105%(所得税5%+復興特別所得税0.105%)」を乗じた金額となります。

なお、障害年金や遺族年金は非課税のため、所得税がかかりません。

1.2 年金から天引きされるお金2:住民税・森林環境税(2024年度から特別徴収)

年金から天引きされる税金には、所得税のほかに「住民税」も含まれます。住民税は、一定額以上の年金収入がある場合に課税され、天引きされる形で徴収されます。

【住民税の内訳】

住民税には、所得に応じて課税される「所得割」と、全員が一律で負担する「均等割」があります。ただし、年金収入が一定額以下の場合は、「均等割のみ」または「非課税」となる場合もあります。

【2024年度から導入された森林環境税】

森林環境税及び森林環境贈与税のイメージ

森林環境税及び森林環境贈与税のイメージ

出所:林野庁「森林環境税及び森林環境譲与税」

2024年からは、住民税均等割の一環として「森林環境税」が導入され、個人住民税と一緒に天引きされます。この税金は、国が市町村を通じて1人あたり年額1000円を徴収するものです。

森林環境税の収入は、地域の森林整備や災害防止、人材育成などの施策に活用されることが目的です。住民税や森林環境税は、地域社会の維持や環境保全に貢献するための重要な財源です。