新年度を前に、家計や貯蓄状況を見直す人が増える2月。物価上昇や将来不安を背景に、「自分の貯蓄は平均と比べてどうなのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
おひとりさま世帯の貯蓄額について調べると、「平均でいくら貯めているのか」という数値がよく注目されます。しかし、その金額をそのまま自分の状況と重ねてよいのかどうかは、慎重に考える必要があります。
というのも、貯蓄額の分布には大きなばらつきがあり、平均値は一部の高額貯蓄者の影響を受けやすい値だからです。実態に近い水準を知るためには、「中央値」や「貯蓄を持っていない人の存在」にも目を向ける必要があります。
本記事ではJ-FLEC(金融経済教育推進機構の調査データをもとに、おひとりさま世帯の貯蓄状況を平均と中央値についてお伝えします。
まずは、貯蓄額を見る際に押さえておきたい基本的なポイントを確認したうえで、年代別の数値を見ていきましょう。
1. おひとりさまの貯蓄額を見る前に知っておきたいポイント
おひとりさま世帯の貯蓄額を確認する際、最初に押さえておきたいのが「平均値と中央値の違い」です。
平均値は、全員の貯蓄額を合計して人数で割った数値であり、分かりやすい一方で実態とかけ離れている場合があります。
一部に非常に高い貯蓄額を持つ人がいると、その影響で平均値は大きく押し上げられます。その結果、「平均◯◯万円」という数値が示されていても、多くの人の実感とは合わないことがあります。
そこで参考になるのが中央値です。中央値は、貯蓄額を少ない順に並べたとき、ちょうど真ん中に位置する金額を指します。極端に高い、または低い数値の影響を受けにくく、より多くの人の実情に近い水準を示す指標とされています。
また、調査では「貯蓄を持っていない人」も含まれています。こうした人が一定数存在することも、平均値と中央値に差が生じる要因のひとつです。
貯蓄額を正しく理解するためには、これらの前提を踏まえたうえで数値を見ることが重要です。