3. 厚生年金の平均受給額はいくらか

厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、現在のシニアが受け取っている年金の平均受給額を見ていきましょう。

厚生年金の月額(平均と1万円刻み)

厚生年金の月額(平均と1万円刻み)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.1 厚生年金の平均年金月額

  • 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
  • 〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

厚生年金(国民年金を含む)の「全体の平均額は14万円台」となっています。

男性はこの全体の平均額を上回り、月額年金が1万9902円多いことがわかります。

一方、女性は男性の月額年金に比べて5万8997円少ないという結果が出ています。

この違いの一因として、男女の賃金差が挙げられます。

以下のグラフは、厚生労働省が公表した「男女の賃金の差異の情報(令和6年1月19日時点)」を示しており、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を表しています。

男性の賃金に対する「女性の賃金の割合」

出所:厚生労働省「男女の賃金の差異の情報公表状況(令和6年1月19日時点)」

全労働者の中で、男性の賃金に対する「女性の賃金の割合は69.5%」です。

これは、女性が男性と比べて賃金が明らかに少ないことを示しています。

厚生年金は、現役時代の収入や年金保険の加入期間によって、受給額が異なります。

一般的に、収入が多く年金保険の加入期間が長いほど、厚生年金の受給額は増える仕組みです。

厚生労働省の「離職理由別離職率の推移」によると、2023年の「1年間の離職率」における個人的な理由(結婚、出産・育児、介護・看護など)による離職率は全体で11.4%で、前年に比べ0.4ポイント上昇しました。

このうち、性別で見ると「個人的な理由による離職率」は男性が9.4%、女性が13.7%で、女性が家庭の事情で離職する割合が高いことがわかります。

離職すると、再就職しない限り、厚生年金保険に加入し続けることができません。

それでは、自営業者や専業主婦(主夫)が加入する国民年金の平均受給額はどのくらいでしょうか。

次章では「国民年金のみ」平均受給額を詳しく見ていきましょう。