4. 国民年金の平均受給額はいくらか
4.1 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金は、公務員や会社員も加入対象ですが、自営業者や専業主婦(主夫)は厚生年金に加入できないため、国民年金のみ加入することになります。
厚生労働省年金局のデータによると、国民年金の平均月額は5万円台で、保険料は一律のため、個人による大きな差はありません。
しかし、物価の上昇を考慮すると、国民年金だけで老後の生活を維持するのは厳しいかもしれません。
自身の年金受給額について詳しく知りたい場合は、日本年金機構から毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」をチェックすることをおすすめします。
次章では、内閣府男女共同参画局の調査を基に、年齢を重ねることで「仕事や家事が難しくなる」という問題について解説します。
5. 年齢を重ねるほど「仕事や家事が制限される」傾向に
以下のグラフは、内閣府男女共同参画局が発表した「令和6年版 男女共同参画白書」のデータです。
このグラフでは、「現在、健康上の問題で日常生活に何らかの影響がある」と回答した人の中で、具体的に「仕事、家事、学業(時間や作業量などが制限される)」に対する影響を挙げた人数やその割合を示しています。
グラフからは、年齢が上がるにつれて健康上の問題によって仕事や家事が難しくなる人が増加していることが見て取れます。
退職後は、現役時代と同じような収入を得ることが難しく、さらに物価の上昇が続いているため、生活費が増加する傾向にあります。
本記事では「70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額」や「公的年金の平均月額」について考察しましたが、物価高の影響により年金受給額が抑えられる仕組みや、年金だけで老後生活を賄うのが難しい状況が明らかになりました。
70歳代の二人以上世帯では、貯蓄が3000万円以上の世帯が19.7%存在する一方で、貯蓄ゼロの世帯も19.2%います。
では、老後の生活を安定させるためには、どのような対策をしておけばよいのでしょうか。
次章では、今から実施できる「老後に向けた準備」について詳しく見ていきます。