2. 2024年度の年金額は「2.7%の増額」へ

厚生労働省は2024年1月19日に「2024年度の年金額を2.7%引き上げる」と発表しました。

また、総務省統計局が2024年8月23日に発表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)7月分」では、2024年7月の消費者物価指数(総合指数)が前年同月比で2.8%上昇したことが示されています。

物価の上昇によって家計が厳しくなっていると感じる人が増えている一方で、公的年金は原則として「物価や賃金の上昇率」に基づいて年額が見直されます。

しかし、公的年金には物価や賃金の上昇率を超えないように「年金額を抑える」仕組みがあり、これは「長期的な給付と負担のバランスを確保するため」に必要です。

その結果、年金が増えたとしても物価上昇に追いつかず、「年金が上がったと実感しにくい」という状況が続いています。

では、2024年度の年金額は具体的にどのくらいなのでしょうか。

2024年度の年金額の例

2024年度の年金額の例

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

2.1 2024年度の年金額例「国民年金・厚生年金」

  • 国民年金(満額):6万8000円(+1750円)
  • 厚生年金※:23万483円(+6001円)

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43万9000円)で 40年間就業した場合、受け取り始める「老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額)」。

上記の情報はすべて年金の月額に関するもので、厚生年金は厚生労働省が試算した「モデル夫婦(片働き夫婦世帯)の年金額の例」です。

しかし現代では共働き世帯が増加しており、厚生労働省のモデル夫婦のように「40年間専業主婦」というケースは少なくなっています。

家庭ごとに年金の受給額は、働き方や勤務期間、収入によって異なるため、前述の「モデル夫婦の年金額例」はあくまで参考の一例として捉えておきましょう。

ここまで、2024年度に年金が増額されたことや2024年度の年金額の例を紹介してきました。

次章では、「厚生年金と国民年金の平均月額」について確認していきます。