1.5 介護保険料
5つ目が、介護保険料です。
介護保険料とは、国が介護保険制度を実施するために、40歳以上の全員に課される保険料です。
介護保険料は、社会保険に加入している場合は64歳まで会社の給与から天引きされ、国民健康保険に加入している場合は国民健康保険料に含まれています。65歳以降になると、社会保険に加入をしていても自身で支払う必要があります。
この介護保険料も、毎月の年金から天引きされる保険料の1つです。65歳以上の全ての人が対象となり、居住する自治体によって計算された金額が毎月の年金額から控除されます。
【介護保険料の計算方法】
- 所得額に基づいて、該当する所得段階を判定します。
- 1.の段階に応じた保険料率で、年間の介護保険料を算出します。
2. おわりに
今回は、老齢年金から天引きされる5つのお金について説明をしました。
ニュースなどで取り上げられる年金受給額や、ねんきん定期便に記載されている年金額は、基本的に控除金額が差し引かれる前の総額が表示されています。
老後の生活設計をするためには、実際に振り込まれる金額が税金や保険料が天引きされた後の金額であることを理解しておく必要があります。税金や保険料は、原則として所得が大きくなるほど控除金額も大きくなります。
ねんきん定期便などに記載されている自身の年金受給額から、どのくらいの金額が控除されるのかを試算して実際の手取り額を計算してみることで、将来の生活に使うことができる金額が見えてきます。
年金の仕組みを理解して、充実した老後の生活設計をしていきましょう。
参考資料
- 内閣府「令和6年版 高齢社会白書」
- 国税庁「公的年金等の源泉徴収事務」
- 東京都主税局「個人住民税」
- 江戸川区「国民健康保険料の計算方法」
- 東大阪市「後期高齢者医療保険料の決め方(計算方法 減額(軽減・減免) 途中加入・脱退の場合)」
- 練馬区「65歳以上の方の介護保険料の決め方」
斎藤 彩菜