今年は新NISAのスタートから始まり、日銀が17年ぶりにマイナス金利政策を解除するなど、日本経済が大きく動いた年です。
一方で、昨年からのインフレは今年も続き、物価上昇が強く意識される年でもありました。ニュース等で「生活が苦しい」という巷の声を聞くことも、もはや珍しいことではなくなりました。
インフレが正常な経済のサイクルであることを考えると、金利のある世界が戻り、物価上昇が適正な範囲で続くことは決して悪いことではありません。
しかしながら、長らくデフレ状態が続き、低賃金、低価格に慣れてしまった私たちにとって、物価の上昇は生活の苦しさに直結するイメージがあるのも事実です。
とくに年金の場合、実際の物価や賃金の伸び率から調整率が控除されるため、給付額の伸び率が低く抑えられる仕組みになっています(マクロ経済スライド)。そのため、年金受給世帯では、物価上昇が家計に与える影響をより強く感じやすいかもしれません。
そこで今回は、シニア世代のお金事情をチェックしてみましょう。とくに60歳代の貯蓄額や年金受給額などを確認しますので、さっそくみていきましょう。