皆さまは将来受け取る年金について、どれくらいもらえるのか確認したことはあるでしょうか。
年金受給額には現役時代の働き方や所得によって個人差がありますが、年金だけで生活していけるのか不安だという声も多く、実際に年金収入のみで生活しているという人は半数以下だというデータがあります。
不足がある場合には、「老後を迎えるまでに資産準備をしておく」、「長く働き続ける」などの対策が必要になります。
まずは自身の年金額を知り、不足する場合いくら足りなくなるのかを知ることが大切ですので、今回は日本の公的年金制度を確認し、老後に向けて何か対策が必要になるのかをチェックしていきましょう。
1. 国民年金と厚生年金のしくみ
日本の公的年金制度は「2階建て構造」で、1階部分が国民年金、2階部分が厚生年金となっています。
最近はこの公的年金に、企業や個人が任意で加入することができる私的年金を上乗せして、「3階建て構造」と言うこともあります。「個人年金保険」や「iDeCo（個人型確定拠出年金）」などが私的年金にあたります。
ここからは、「国民年金」「厚生年金」の公的年金について、詳しく見ていきましょう。
1.1 国民年金（基礎年金）って何？
まず「国民年金」から解説していきます。
国民年金は、20歳以上60歳未満の日本に住んでいる全員が加入しなければなりません。
いわば「年金のベース部分」です。2025年度の保険料は月額1万7510円ですが、これは全員一律です。
満額もらえる場合、2025年度は月額6万9308円になります。
国民年金の被保険者は、20歳以降の働き方や暮らし方によって、第1号～第3号の3つに分類されます。
- 第1号被保険者: 学生や自営業者など、自分で保険料を支払う必要がある人。
- 第2号被保険者: 会社員や公務員など、厚生年金にも加入している人。給料からの天引きで納めます。
- 第3号被保険者: 第2号被保険者に扶養されている配偶者。専業主婦（主夫）などが該当し、保険料は配偶者の厚生年金制度が負担します。
1.2 厚生年金（2階部分）とは？
次に「厚生年金」。会社員や公務員が国民年金に上乗せして加入するものです。
厚生年金のポイントは、毎月の給与やボーナスに応じた保険料を支払うという点です。そして、稼げば稼ぐほど、基本的には将来もらえる年金額が増えるようになっています（上限あり）。
国民年金が「1階部分」として全員に共通の基礎的な年金となっていて、厚生年金は「2階部分」として国民年金に上乗せされた役割を果たしています。
次章では、平均年金額を具体的に見ていきましょう。
