1.2 65歳以上「無職夫婦世帯」の保有資産の内訳
合計:2504万円
- 有価証券:480万円
- 生命保険など:413万円
- 定期性預貯金:846万円
- 通貨性預貯金:754万円
- 金融機関外:11万円
世帯主が65歳以上の無職夫婦世帯の保有資産額は、平均で2504万円となっています。そのうち定期性預貯金の割合は33.8%で、前年より2.9ポイント減少しました。金額にすると19万円の減少ですね。
一方、有価証券の割合は19.2%に増加しており、前年から2.2ポイント上昇しました。こちらは金額にして80万円の増加に相当します。この変化には、資産運用への関心が広がりつつあることが背景にあると考えられます。
たとえば、個人型確定拠出年金(iDeCo)や少額投資非課税制度(NISA)といった税制優遇制度が普及し、投資へのハードルが下がったことが身近な例として挙げられるでしょう。
さらに、最近の物価上昇も関連していると考えられます。物価が上がることで預貯金の実質的な価値が下がるため、インフレ対策として資産運用を検討する人もいるでしょう。
また、低金利が続く中で預貯金だけでは資産を増やしにくいことも、投資への関心を後押しする要因の一つと言えそうです。株式や投資信託などに資金を分散させることは、資産を守りながら育てるために有効な選択肢となり得ます。
ここまでは、65歳以上の「無職夫婦世帯」、いわゆるリタイア世帯を対象にデータを確認してきました。次では、勤労世帯も含めた、65歳以上の二人以上世帯の貯蓄事情についても見ていきましょう。