2. 【新NISA】50歳から65歳まで「毎月5万円の積立投資」シミュレーション

50歳代はリタイアを目前に控え、老後の資産形成を徐々に意識する年代です。世帯によっては資産を増やしやすい時期なので、一気に貯蓄額を増やしていきたいところです。

資産形成を考えるとき、株式や投資信託など、金融商品の活用を検討する方は多いかもしれません。活用すること自体は問題ではありませんが、投資によって資産が減る事態はなるべく避けたいものです。

投資にリスクはつきものです。自分に合った適切なリスクで運用することを念頭に、検討してみましょう。

2.1 最適なポートフォリオは?

老後の資産形成に最適なポートフォリオは人によって異なりますが、分散投資を基本にしつつ、いくつかの資産を組み合わせて投資するのがおすすめです。

本来であれば、リスクとリターンを計算しながら、資産の配分を考えるのが適切ですが、自分ひとりで考えるのが難しい場合もあります。

そこで、私たちが支払う年金保険料から積み立てられる年金積立金が、現在どのように運用されているかを参考にしてみましょう。

私たちが納めた年金保険料の一部はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が将来の年金支払いのために管理・運用しています。現在の基本ポートフォリオは下記のとおりです。

  • 国内債券:25%
  • 外国債券:25%
  • 国内株式:25%
  • 外国株式:25%

2001年の市場運用開始以来、各資産の組み入れ比率はさまざまに変化していますが、2020年4月以降の5年間(第4期中期目標期間)は、上記の基本ポートフォリオが採用されています。

大切な年金を運用するためのポートフォリオであることに加え、資産配分もわかりやすいため、参考にしてみるのもよいでしょう。運用しているうちに配分が崩れてきたら、リバランスをおこなうことも大切です。

ちなみに、年金積立金の基本ポートフォリオは時代によって変化していますが、2001年の市場運用開始以来、年金積立金の収益率は4.26%となっています。

※各種シミュレーションを用い、各資産25%ずつ組み入れた上記のポートフォリオで過去20~21年間運用した場合を計算すると、年間の平均リターンはおおむね6%台になります。(筆者調べ)