2.3 これまで支払った保険料
これまで支払った保険料納付額(図:h欄)には、国民年金・厚生年金合わせていくら保険料を納めたかが記載されています。納めた保険料と受給見込額を照らし合わせて「何年受給すれば元が取れそうか」を確かめておくとよいでしょう。
令和6年度の国民年金保険料が1万6980円、国民年金の満額受給額が81万6000円ですから、国民年金のみの受給者でもおよそ10年で元が取れます。厚生年金も併せて受け取るなら、より早く元がとれる可能性が高いでしょう。
2.4 受給資格期間
65歳から受け取れる老齢年金を受給するには、最低でも120月(10年間)保険料を納める必要があります。ねんきん定期便の「これまでの年金加入期間」の太枠の欄(図:i欄)を確認して、数字が120以上となっているか確かめましょう。
国民年金・厚生年金のほか、受給資格に合算される期間を合わせた数字が120以上であれば、65歳から年金受給が可能です。よって、国民年金・厚生年金それぞれの加入月数が120月でなくても構いません。国民年金加入期間が70月、厚生年金加入期間が50月であっても、合計すれば120月となるため、年金の受給資格を得られます。
加入期間が120月に達していない場合は、残りの年数で120月を超えそうかどうか確かめておきましょう。もし60歳までに120月に達しなくても、年金制度を正しく活用すれば問題ありません。厚生年金は働いていれば原則70歳まで加入できますし、国民年金は20〜60歳までの納付月数が480月未満であれば、60〜65歳で国民年金へ任意加入(※)できます。
※年金の受給資格期間を満たしていない65歳以上70歳未満の方も任意加入が可能
2.5 受け取る年金の種類と見込額
最も重要ともいえる「受給見込額」(図:k、l欄)は必ずチェックしておきましょう。基礎年金は受給資格さえ満たせば誰もが受け取れる年金です。厚生年金は会社員や公務員などが受け取れる年金です。それぞれの年金額の合計と、月あたりいくら受け取れるのかを確かめておきましょう。
基礎年金については、加入月数が480月未満の場合、満額で受け取れません。前述の加入月数を見たうえで受給金額を確かめ、場合によっては任意加入制度の利用を検討するとよいでしょう。
では、次章ではねんきん定期便を見る際の注意点を解説します。