4. 毎年約6万円が上乗せ支給!低年金世帯を支える「年金生活者支援給付金」とは?

所得が一定基準を下回る公的年金受給者には、「年金生活者支援給付金」が支給されます。

新たに「年金生活者支援給付金」の対象となる方には、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が毎年9月より順次送付されます。

該当する受給者は請求手続きを行うことで、給付金を受け取ることが可能です。

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

出所:日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」

年金生活者支援給付金には、「老齢年金生活者支援給付金」、「遺族年金生活者支援給付金」、「障害年金生活者支援給付金」の3種類があり、それぞれ異なる要件があります。

次章では、「老齢年金生活者支援給付金」の要件と給付基準額を紹介していきます。

4.1 「老齢年金生活者支援給付金」の要件(対象者)と給付基準額

  • 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
  • 同一世帯の全員が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下※2

※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

給付基準額は各年金生活者支援給付金によって異なりますが、老齢年金生活者支援給付金の場合、月額は5310円となっています。

年金生活者支援給付金の給付基準額

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:日本年金機構「令和6年4月分からの年金額等について」

ただし、上記の金額はあくまで「基準額」であり、実際の支給額は保険料納付済期間に基づいて計算されるため、個人差があることに留意しておく必要があります。

5. まとめにかえて

今回は老齢年金の平均年金月額を一覧で確認し、「年金生活者支援給付金」についても解説してきました。

こうした給付金制度は、シニアの生活の支えとなっていますが、将来にわたって継続されるかどうかはわかりません。

物価上昇が今後も続く可能性を考えると、早めに老後に向けた備えを考えておくことが重要です。

安心して老後を迎えるためには、年金の平均的な受給額を知るだけでなく、「自分が将来受け取れる年金額」を具体的に把握することが大切です。ぜひ一度、「ねんきんネット」等でご自身の年金見込み額を確認し、老後資金の計画を立ててみましょう。

参考資料

中本 智恵