シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は国内流通大手のイオンです。
イオンの平均年間給与はいくらか
イオン(提出会社)の2018年2月28日時点での平均年間給与は 779.4万円と700万円を超えています。また、従業員の平均年齢は46.7歳となっており40歳を上回っています。平均勤続年数は18.4年となっています。
イオンの従業員数は何人か
有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年2月28日時点で324名。単体で300人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。
また、連結の従業員数は14万8146名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。
- GMS事業:3万1678名
- SM事業:2万9376名
- ドラッグ・ファーマシー事業:7807名
- 総合金融事業:1万8119名
- ディベロッパー事業:3449名
- サービス・専門店事業:2万1750名
- 国際事業:3万3055名
- その他事業:153名
- 純粋持株会社等:2759名
過去5年の業績動向
イオン(連結)の業績推移についても見ておきましょう。
まず、営業収益ですが、過去5年をみると増収傾向が続いています。2014年2月期に6兆3951億円であった水準が、2018年2月期には売上高は8兆3900億円となっています。
また、経常利益についても多少の凸凹はありますが、5年で見れば増益となっています。2014年2月期には1768億円の水準であったものが、2018年2月期には2137億円にまで増加しています。
一方、投資家が重視する「ボトムライン」でもある親会社株主に帰属する当期純利益は5年で見れば減少しています。2014年2月期には456億円あったものが、2018年2月期には245億円になっています。
今後の注目点
イオンでは平成30年2月期を初年度とする「イオングループ中期経営計画」を公表し、以下の取り組みを掲げています。
- 既存事業の収益構造改革
- 新たな成長に向けたグループ構造改革
更に12月には平成32年に向けた中期経営方針を発表。その中で「リージョナルシフト」、「デジタルシフト」、「アジアシフト」とそれらに連動する投資のシフトというグループの変革の方向性を打ち出しています。今後の同社の中期経営方針への取り組みに注目です。
まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。
【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は就業人数です。基本的には、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。
【ご参考】有価証券報告書とは
日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。
LIMO編集部