2. 高額受給者の割合が少ない理由
なぜ、年金受給額が30万円以上となる受給者の割合が少ないのでしょうか。年金額の基本的な仕組みと決定方法から見ていきましょう。
2.1 年金の基本的な仕組み
まずは、老齢となることにより受給する年金である「老齢年金」について、基本的な仕組みを確認していきます。老齢年金とは、国が運営する公的年金の1つであり、国民年金保険料を支払うことで受け取る「老齢基礎年金」と厚生年金保険料を支払うことで受け取る「老齢厚生年金」の2つを指しています。
それぞれの年金には、保険料の支払いと年金額の決定において、次のように異なる特徴があります。
【国民年金(基礎年金)】
- 20歳以上60歳未満の全国民に加入義務
- 保険料は原則として一律
- 40年間分の保険料を納付することで満額の年金が受給可能
- 2024年度の満額受給額は年額81万6000円(月額約6万8000円)
【厚生年金】
- 70歳までの会社員や公務員が会社を経由して加入
- 保険料は給与に比例して決定
- 受給額は現役時代の報酬と加入期間により変動