会社を退職した後の老後生活において、年金受給額は重要な収入源です。しかし、自分自身がいくら程度の受給ができるのか、果たしてそれがどの程度の水準なのかを理解しているでしょうか。

厚生労働省による統計によると、年齢が高くなるほど将来の生活資金について「全面的に年金に頼る」と考えている層が多く、50歳代では24.7%、60歳代では28.5%となっています。

【写真全6枚/1枚目】老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ。2枚目では厚生年金の平均年金月額を紹介

【写真全6枚/1枚目】老後の生活設計の中での公的年金の位置づけ。2枚目では厚生年金の平均年金月額を紹介

出所:厚生労働省 第13回社会保障審議会年金部会資料「生活設計と年金に関する世論調査(主な調査結果)」

しかし国から支給される公的年金は、どんなに高額な人でも現役の給与額には達しないことがほとんどです。そのため、自分の月々の支出と受給予定の年金額を考えて、赤字が出る場合には貯蓄などにより将来の赤字に備える必要があります。

今回は、30万円以上の年金を受給している割合を確認するとともに、現役時代にどのくらいの収入があれば30万円以上の年金額を受給できるのかを検討します。ぜひ参考にしてください。

1. 年金受給の現状

現役の会社員において「月額30万円の給与」というものはそう高額な水準ではありません。しかし、年金の受給額での「月額30万円」は、かなりの高額受給者であると言えます。

参考に、年金受給額の平均値と月額ごとの受給者数割合を確認してみましょう。

1.1 年金の平均受給額

厚生労働省の統計によると、2022年度における厚生年金の平均年金月額は以下の通りとなっています。

厚生年金の平均年金月額

厚生年金の平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 全体平均:14万3973円
  • 男性平均:16万3875円
  • 女性平均:10万4878円

1.2 月額30万円以上の年金受給権者割合

一方、月額30万円以上の受給者は全体でわずか1万2490人。これは受給者全体の約0.08%にすぎません。男女別でみると、男性が1万2164人(約0.11%)、女性が326人(約0.006%)となっています。

このように、月額30万円以上の年金を受給しているのは限られた人数であり、平均値と比較してもかなりの高水準であることがわかります。