11月の東京23区の消費者物価指数が発表され、生鮮食品を除く総合は、前年の11月より2.2%上昇していることがわかりました。消費者物価指数に関しては、日銀のレポートでも、来年以降は概ね2%前後で推移すると見込まれています。
賃金の上昇が伴わず、物価の上昇だけが進むのなら、生活は苦しくなるばかりです。支出が目に見えて増えるようになると、とくに年金受給中のリタイア世代にとっては、どんな生活を送ればよいか不安になることもあるかもしれません。
そこで今回は、65歳以上・夫婦世帯のお金事情についてみていきます。年金額や貯蓄額を確認して、お金のことを考えるきっかけにしてみてください。
1. 【65歳以上・二人以上世帯】平均貯蓄額はいくら?
それでは、世帯主が65歳以上・二人以上世帯の平均貯蓄額についてみていきましょう。
1.1 65歳以上・二人以上世帯の貯蓄額
総務省が公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)2023年(令和5年)平均結果の概要(二人以上の世帯)」によると、二人以上世帯のうち、世帯主が65歳以上世帯の平均貯蓄額は2462万円、中央値は1604万円となっています。
中央値が1604万円ということは、サンプル世帯の半数が、貯蓄額が1604万円以下であることを示しており、グラフからも半数以上のリタイア世帯の貯蓄額が2000万円以下であることがわかります。
数年前、老後2000万円問題が話題になりましたが、いまやその額は3000万円とも4000万円とも言われています。貯蓄額が2000万円以下の世帯は少なくないため、資金面で不安を抱えながら生活している方は想像以上に多いかもしれません。