2.2 「年収106万円の壁」を超えるとどうなる?

年収106万円の壁とは、勤務先の企業規模によっては「社会保険料の加入義務が発生する年収基準」を指します。

2022年9月までは従業員501人以上の企業が対象でしたが、2022年10月以降から101人以上に変更され、さらに2024年10月から51人以上の企業に適用範囲が拡大しています。

適用範囲の企業に勤める場合、以下の要件すべてを満たすと社会保険に加入する必要があります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
  • 所定内賃金が月額8万8000円以上
  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

ただし、年収106万円以上で上記要件を満たしていても、企業の従業員数が51人未満であれば、社会保険に加入する必要はありません。

2.3 「年収130万円の壁」を超えるとどうなる?

年収130万円の壁とは、「社会保険への加入義務と社会保険料の支払いが発生する年収基準」を指します。

前述した「年収106万円の壁」では、企業の従業員数が51人未満であれば加入義務がありませんが、年収130万円を超えると、企業規模に関係なく社会保険への加入が必要になり、保険料の支払いも発生します。

つまり、年収が130万円を超えると、税金と社会保険料が給与から差し引かれるようになるため、手取り額がさらに減少することが見込まれます。

では、年収の壁を超えて働くことは、手取り額が減少するといったデメリットしかないのでしょうか。