【最新】厚生年金の平均月額は14万6429円。その一方で「月額30万円以上」受給する人も最新の厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」とは

3. 厚生年金「月額30万円超」の人の現役時代の平均年収は？

厚生年金の受給額を決める計算方法は、2003年3月以前とそれ以降で異なります。

大きな違いは、2003年4月以降から「賞与（ボーナス）」にも年金保険料が控除されるようになったことで、この変更により、ボーナスが年金額に反映されるようになりました。

2003年4月以降に厚生年金に40年間加入した場合を想定し、年収目安を計算してみましょう。

まず、国民年金の満額である81万6000円を受け取ることを前提にします。

そして、月額30万円（年間360万円）の年金を受給するためには、国民年金の81万6000円を差し引いて、残りの278万4000円を厚生年金から受け取ることになります。

この場合の平均標準報酬月額を計算すると、以下のようになります。

平均標準報酬月額が約105万円で、年収に換算すると約1269万円となります。

上記の結果から、理論上は40年間の平均年収が約1269万円以上であれば、年金として月額30万円以上を受給できる計算になります。

ただし、40年間の平均年収を常に1000万円台で維持し続けるというのは現実的ではないかもしれません。

キャリアアップや役職の変更などで年収が2000万円や3000万円を超えることもあり、その結果、40年間の平均年収が1284万円に近づくことも考えられますが、年収が後から上がったとしても、その影響が必ずしも老後の年金額に反映されるわけではありません。

なぜなら、厚生年金には標準報酬月額の上限があり、現在その上限は「65万円」と設定されているからです。

また、標準賞与額の上限も「150万円」です。

したがって、この上限を超えて稼いでも、それ以上年金額が増えることはないため、注意が必要です。