11月22日に総務省が公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)10月分」によると、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比で2.3%の上昇となっています。

最近は、当たり前となってきた物価の上昇ですが、今後も物価上昇が続いたら老後の生活はどうしようと不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

元金融機関職員の筆者も、老後の生活に対する不安や悩みを吐露するお客様の相談をたくさん受けてきました。

なかでも、老後に受け取れる年金は現役時代に受け取っていた給料と比べて少なくなるため、「年金以外に頼れる老後資金を作りたい」と老後資金づくりについて相談される方は非常に多かったです。

当時から今現在もそうですが、老後資金づくりの方法として相談されるお客様の中でも関心が高かったのはNISAです。

NISAは、投資から得られる利益や分配金に対して税金がかからず、税メリットを受けながら将来に向けて投資ができると非常に有効な老後資金づくりの手段です。

また、2024年からはNISA制度が新しく生まれ変わっています。

今回は、新NISAの改良ポイントと新NISAのつみたて投資枠を活用して投資した場合のシミュレーションについて解説します。

1. 新NISAの魅力とは?

2024年1月からスタートした新しいNISA制度は、旧NISA制度から大幅にバージョンアップされ、より魅力的な制度となっています。

旧NISA制度の基本をおさらいしつつ、新NISA制度の注目すべき点を詳しく見ていきましょう。

1.1 旧NISA制度の概要

まずは、旧NISA制度をおさらいしておきましょう。

旧NISA制度の概要

旧NISA制度の概要

出所:金融庁「2023年までのNISA」をもとにLIMO編集部作成

旧NISA制度は、「一般NISA」と「つみたてNISA」にわかれています。

旧NISA「一般NISA」

  • 年間非課税枠は120万円です。
  • この枠内で投資した金額に対して、5年間は非課税で運用することができます。
  • 投資可能な商品は上場株式や投資信託などが含まれます。

旧NISA「つみたてNISA」

  • 年間非課税枠は40万円で、非課税保有期間は20年間です。
  • 投資可能な商品は主に投資信託やETF(上場投資信託)です。
  • 長期的な資産形成を目的とした制度です。