厚生労働省が2024年7月26日に公表した「令和5年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は 81.09歳、女性の平均寿命は87.14歳となりました。男女ともに前年を上回っており、前年を上回ったのは2020年以来3年ぶりなのだそうです。
このように、「人生100年時代」と言われるような長生き時代となっています。その分、その長い人生を支える資金が必要となります。
老後資金の支えとして一番に思い浮かぶものが公的年金ですが、果たして公的年金だけで長く続く人生を過ごしていくことは可能なのでしょうか。
今回は、目安として65歳以上の平均貯蓄額と生活費、また最新の年金平均受給額をご紹介します。今後の資産形成を検討する上でぜひ参考にしてください。
1. 【年金シニア世帯】65歳以上「無職二人以上世帯」の平均貯蓄額はいくら?
総務省統計局のデータによると、65歳以上で無職の二人以上世帯の平均貯蓄額は「2504万円」でした。
【写真1枚目/全5枚】65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額。では勤労世帯も含む平均はいくら?次の写真をチェック
2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移は以下のとおりです。
1.1 年金シニア世帯の「平均貯蓄額の推移」を一覧でチェック
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
2018年から、無職の夫婦世帯の貯蓄額は徐々に増加傾向を見せ、2023年には過去最高額の2500万円台に達しました。
2019年に「老後2000万円問題」が注目されたことが、老後に向けた貯蓄意識を高める一因となった可能性が高いです。
最近では、銀行預金だけでなく、投資などを通じて資産を増やす人も増えていますが、保有資産の内訳はどのようになっているのでしょうか。
1.2 年金シニア世帯の「保有資産の内訳」を一覧でチェック
合計:2504万円
- 有価証券:480万円
- 生命保険など:413万円
- 定期性預貯金:846万円
- 通貨性預貯金:754万円
- 金融機関外:11万円
有価証券は480万円となり、前年と比べて80万円の増加が見られました。
通貨性預貯金は754万円で、前年より55万円の増加、対照的に定期性預貯金は846万円で19万円の減少を記録しています。
NISAやiDeCoなどの投資に関する認知度や利用率の上昇を踏まえると、今後さらに預貯金から投資へのシフトが加速することが予測されます。
ここでは無職の年金世帯の貯蓄額について触れましたが、次章では65歳以上の「勤労世帯も含む」世帯の貯蓄額についても確認していきましょう。