2. 高年齢雇用継続給付の支給率・支給額

高年齢雇用継続給付の支給率は「60歳以降の毎月の賃金の15%」です。ただし、これは賃金が60歳時点と比べて61%以下に減った場合であり、賃金の減少割合が61〜74.5%の人は支給率が低下していきます。

賃金の低下率ごとの給付支給率は以下のとおりです。

高年齢雇用継続給付の支給率

高年齢雇用継続給付の支給率

出所:厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~」

  • 75%以上:0.00%
  • 74.5%:0.44%
  • 74.0%:0.88%
  • 73.5%:1.33%
  • 73.0%:1.79%
  • 72.5%:2.25%
  • 72.0%:2.72%
  • 71.5%:3.20%
  • 71.0%:3.68%
  • 70.5%:4.17%
  • 70.0%:4.67%
  • 69.5%:5.17%
  • 69.0%:5.68%
  • 68.5%:6.20%
  • 68.0%:6.73%
  • 67.5%:7.26%
  • 67.0%:7.80%
  • 66.5%:8.35%
  • 66.0%:8.91%
  • 65.5%:9.48%
  • 65.0%:10.05%
  • 64.5%:10.64%
  • 64.0%:11.23%
  • 63.5%:11.84%
  • 63.0%:12.45%
  • 62.5%:13.07%
  • 62.0%:13.70%
  • 61.5%:14.35%
  • 61%以下:15.00%

たとえば、60歳に到達する前6か月間の平均賃金が30万、定年後の給与が18万円の場合、定年後の給与は現役時代の60%となっているため、18万円の15%である2万7000円が毎月支給されます。

高年齢雇用継続給付は60歳以降65歳になるまで支給される給付金です。賃金の低下率が小さい人が受け取れる給付額はわずかですが、5年給付を受ければ合計で数万円程度が受けられます。

一方で、一旦退職後に再就職を目指す人は、雇用保険の再就職手当の受給なども視野に入れるとよいでしょう。再就職手当は、雇用保険の基本手当の60%または70%が支給残日数分支給される一時金です。

高年齢再就職給付金と再就職手当の併給はできないので、どちらが多く手当を受け取れるか、どちらが自分の定年後の生活に合うかなどをチェックしながら、利用する制度を選びましょう。

では、高年齢雇用継続給付の注意点である支給額の減少について、次章で解説します。