3. 高年齢雇用継続給付は2025年から減額

高年齢雇用継続給付は、2025年から支給額が15%から10%に減額されることが決まっています。

2019年12月20日の「第137回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会」にて段階的な支給率の縮小が決まり、2025年4月1日から支給率が減少することになりました。

国は代わりに「高年齢労働者処遇改善促進助成金」の支給を進めています。

これは、高年齢労働者の賃金増額に取り組む事業主に対して、高年齢雇用継続基本給付金の減少額に3分の2(大企業は2分の1)を掛けた金額を支給する制度です。

とはいえ、高年齢雇用継続給付の支給率が下がっているため、定年後の賃金が上がらなければ給付額が減り損してしまいます。高年齢労働者の賃金をどのように定めるか、事業主の適切な判断が求められるでしょう。

4. まとめ

高年齢雇用継続給付は、賃金減少で退職後の生活が急激に苦しくなるのを防ぐための制度です。60歳以降も働こうと考えている人は、退職前から給付を受け取るための準備をしておくとよいでしょう。

一方で、2025年4月から支給率の減少が決定しています。今後も段階的な縮小が見込まれており、ゆくゆくは廃止となるでしょう。廃止されるまでに申請し、給付を上手に活用しましょう。

参考資料

石上 ユウキ