日本政府観光局(JNTO)によると、2024年の訪日外国人旅行者数は、3687万人にも及ぶことがわかりました。
新型コロナウイルス禍前の2019年の訪日外国人旅行者数は3188万人であったことから、その水準を上回る過去最高を更新したことになります。
歴史的な円安が追い風となり、日本での買い物をしやすくなっていることがその一因となっているのでしょう。
その反面、国内では値上げラッシュが続いていることで、日本国民にとっては生活水準を維持することも難しくなりつつあります。
果たして、日本国民の資産自体も目減りしてしまっているのでしょうか。
日本人の富裕層の割合や資産残高を見ながら、日本国民の資産はどのように変化しているのか見ていきましょう。加えて、富裕層のカード利用データをもとに、彼らの消費傾向や資産管理の方法についても解説していきます。
1. 【割合】日本にはどのくらいの富裕層が存在する?
まずは、日本の富裕層の実態から確認していきましょう。
出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
野村総合研究所の調査によれば、純金融資産が1億円以上5億円未満の「富裕層」と、5億円以上の「超富裕層」を合わせた世帯数は、日本国内で148万5000世帯に達しています。
この数は、日本全体の約2%に相当します。
1.1 【一覧表】富裕層の世帯数と保有資産規模
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円
富裕層の数は年々増加しており、将来的にはさらに資産格差が広がると予測されています。
一方で、近年続く物価高の影響から、一般家庭の中には生活に困窮しているという声も多く聞かれます。
では、そんな現代において富裕層が増加している背景には、どのような要因があるのでしょうか。