はじめに

就職活動をスタートするに当たっては、まずどのような企業に応募するのかを決めなくてはいけません。数ある企業の中から、自分にあった企業を見つけるには企業分析が役に立ちます。とはいえ実際に企業分析をするとなると、何から手をつけて良いか分からないという人も多いのではないでしょうか?

今回の記事では、就職活動をスムーズに進めるための企業分析の方法を説明します。

目次

1. 企業分析はなぜ必要?就職活動での企業分析の重要性とは?
2. 分析を行うタイミングは?就職活動中はこの時期に企業分析をスタートしよう!
3. いざ企業分析にトライ!チェックしておきたいポイントは?
4. 就職活動での企業分析の方法1:インターネットを活用する
5. 就職活動での企業分析の方法2:OBOG訪問をする
6. 就職活動での企業分析の方法3:ハローワークや就職支援センターを利用する
7. 企業分析におけるSWOT分析ってなに?強みと弱みを把握して絞り込みをしよう!

1. 企業分析はなぜ必要?就職活動での企業分析の重要性とは?

新卒の学生の就職活動にも用いられる企業分析には、次のようなメリットがあります。

その企業が自分に合っているかどうかが分かる

企業分析により、その企業の事業や社風、経営スタイルなどをある程度掴むことができます。このような情報は、自分と企業との相性を見極める上でもひとつの参考になります。

企業が求める人材像が見えてくる

企業分析では、企業が求めている人材像が見えてくるケースも多々あります。どのような人材やスキルが必要とされているのかが分かれば、ポイントを絞って準備をすることができるでしょう。履歴書や面接でも、採用担当者の興味をひくようなアピールが可能になるかもしれません。

志望動機の裏付けができる

企業分析を経て得た企業の情報は、履歴書や面接にて述べる志望動機の裏付けにもなります。例えば、志望動機を「企業の商品やサービスを利用したことがきっかけ」としたときに、企業分析で得た、企業の商品やサービスに関する知識があれば、「その商品・」サービスのどこがすばらしいと思ったのか」という点についても補足として述べることができます。これは、面接を受ける際にも説得力のあるアピールにつながりますので、就職活動がグッとしやすくなるというわけです。

2. 分析を行うタイミングは?就職活動中はこの時期に企業分析をスタートしよう!

就職活動における企業分析を、いつ行えばよいかという点については、とくに決まりはありません。ただ、就職活動をつつがなく進めたいという場合は、できるだけ早くスタートをしたほうが有利になるのではないでしょうか。例えば、新卒の学生であれば、卒業の2年前ぐらいから徐々に企業分析に取りかかるのがよいとされています。例えば、大学生であれば、3年生のはじめごろから少しずつ就職活動の一環として、学校で就職ガイダンスなどが開かれるようになりますから、そのころから企業分析を始めるのがよいのではないでしょうか。

とはいうものの、この時点で応募したい会社が決まっているという学生は少ないですから、まずは、興味のある業界から分析する会社を選んで、企業分析を始めてみましょう。まずは、就職支援サイトなどが提供している企業情報を見ながら、実際に入社したいと感じる会社をピックアップしていくのです。

企業をピックアップするプロセスにおいては、「本当にこの企業でいいのか」「ほかにも自分にあっている企業があるのでは」など、いろいろと迷いを感じるという学生も多いようです。興味のある業界や職種が多い人になると、会社の絞り込みだけで時間がかかってしまうケースも少なくないでしょう。しかし、企業分析をスタートする時期が早いと、企業の絞り込みに多少時間がかかったとしても、目的の企業に応募する前に必要なスキルを身につけるなどの具体的な準備を行う時間は十分に確保できますし、その分、就職活動を有利に進めることが期待できるかもしれません。

3. いざ企業分析にトライ!チェックしておきたいポイントは?

就職活動中の企業分析では、まず次のような項目をチェックするのが一般的のようです。

企業の所在地、資本金、規模

本社の住所や資本金、従業員数などは、会社概要に記載されているのが一般的です。支店の数や主要取引先などを確認すると、さらに具体的に会社の規模をイメージしやすくなります。

企業の経営理念

会社の経営理念や成り立ちなども見ておいて損はないポイントです。同じ業界でも、会社の歴史はそれぞれ違いますし、経営者が打ち出す理念も異なります。社風にも影響することですから、ぜひ確認しておくとよいでしょう。

商品やサービス、業態など

どのような事業を展開しているか、といった点は、必ずチェックしておきたいポイントです。というのも、どういった商品やサービスを提供しているかを調べておくことで、同じ商品やサービスを扱っている他の企業との比較がしやすくなるからです。また、実際に応募するときに、何を扱っているのかもわからないという状態では、企業に対しても失礼ですし、悪印象につながってしまう可能性も否定できないからです。

競合する企業との比較

同様の商品やサービスを提供している企業と比較した時の、良い点と悪い点についてまとめてみましょう。応募する企業を絞り込む際に役に立ちます。

採用に関する情報

企業が採用に関して開示している情報も、忘れずに押さえておきましょう。給与や福利厚生面について、自分が希望する条件とあっているかという判断ができますし、自分自身が、企業が求める人物像にあっているかという点をチェックするのにも役立ちます。

就職サイトの多くが、企業分析の手法の紹介や、企業分析をした結果を整理するための企業分析シートの配布を行っています。そういったサービスを活用するのも、企業分析の方法としては有効といえるでしょう。

4. 就職活動での企業分析の方法1:インターネットを活用する

企業分析の方法としてよく挙げられるのが、インターネットを活用したアプローチです。キーワードを入力するだけで、様々な情報を得ることができるインターネットは、就職活動にも大いに役立つツールといえるでしょう。

多くの企業ではオリジナルの公式サイトを開設しています。検索エンジンで企業名を指定して検索をし、まずはこういったサイトをみつけてアクセスをし、企業の情報を集めるのが、企業分析の第1歩になるのではないでしょうか。

なお、さらに詳しい情報を知りたいという場合は、国内の企業の情報をまとめて紹介するサイト、FacebookなどのSNSやブログ、口コミサイトの活用がおすすめです。一般の公式サイトでは分からないような情報も提供されているというところが、これらの良さといえるでしょう。また、さまざまな情報源に触れることは、客観的な視点で企業分析を行う上でもプラスになります。

このように、インターネットを利用することで、実に多くの多くの情報を、複数の切り口から集めることができるのです。ただ、インターネットを通じて手に入れることができる情報の中には、真実ではないものが含まれていることがあります。このため、正しい情報を見極める眼を養うことも大切です。

5. 就職活動での企業分析の方法2:OBOG訪問をする

同じ学校の卒業生であるOBやOGを訪ねるという方法も、以前から行われている企業分析のひとつの方法です。多くの場合、学のゼミや研究室、サークル、親戚や友人関係といった人脈を活用して行われます。しかし、目的の企業に、ちょうどよく縁のあるOBやOGがいるとは限りません。そのようなとき、多くの学生が行っているのが、大学の就職支援課を利用するという方法です。

大学の就職支援課とは、各大学に設けられている、学生の就職準備全般をサポートするための施設です。最近では、キャリアセンター、キャリア支援課というような名前で設置されているところも多いようです。ここでは、応募したい企業に卒業生がいるかどうかを調べてもらうことができます。

OBOGの訪問をするメリットは、何といっても現役の社員から、その企業の雰囲気や仕事内容を聞くことができるという点です。採用担当者に直接質問するのが憚られるような内容も、OBやOGに対しては比較的気軽に聞くことができます。また公にされていない会社の実情などを知ることができるかもしれません。これから、その企業への応募を考えている学生にとっては、大いに役立つでしょう。持っていると有利になる資格やスキルなど、就職活動全般に関する情報を教えてもらうことができるという点でも、OBOG訪問には、メリットがあるといえます。

6. 就職活動での企業分析の方法3:ハローワークや就職支援センターを利用する

ハローワークや就職支援センターなどの公共機関利用するのも、よくとられている企業分析の方法です。

ハローワークや就職支援センターは、現役の学生だけではなく、就職を希望する幅広い年代の人が利用するという点で、大学の就職支援課とは異なります。求人票や企業情報の閲覧などを行うことができ、求職者の対応にあたるスタッフからも、興味のある業界や企業の話を聞くことができるというメリットがあります。

また、ハローワークや就職支援センターには、時期にもよりますが、パンフレットなどが設置されていることもあります。このため、タイミングが良ければ、目的の企業の資料を、その場で入手することも可能といえます。また、人材派遣会社や民間の転職支援サービスなどと提携して、企業説明会やセミナーを実施しているところも多く、企業の採用担当者から直接話を聞く機会が得られるという点でも、利用する価値があるといえるでしょう。

7. 企業分析におけるSWOT分析ってなに?強みと弱みを把握して絞り込みをしよう!

一般的にSWOT分析とは、企業が自社の企業戦略を立てるときによく用いられるフレームワークです。なお、SWOT分析の「SWOT」とは、以下のカテゴリの頭文字をとってつなぎ合わせた言葉となります。

  • S(Strengths/強み)
  • W(Weaknesses/弱み)
  • O(Opportunities/機会)
  • T(Threats/脅威)

SWOT分析では、自分で立てた仮説を元に、企業の状態を上記4つのカテゴリに分類していくという方法です。なお、強み(Strengths)と弱み(Weaknesses)は、内部環境とよばれる「社内で対応できる」要素となります。一方、機会(Opportunities)と脅威(Threats)は、外部環境とよばれ、「社内の努力だけではコントロールが難しい」要素となります。内部環境に含まれるものとしては、人材や財政状況、外部環境に含まれるものは、デフレや少子化といった社会問題、市場の動向といったものが挙げられます。

4つのカテゴリへの分類後、企業戦略を立てるためのSWOT分析では、戦略に関する仮説を立てて、それが可能かどうかを検証するということを行いますが、就職活動における企業分析では、自分自身を企業に置き換え、4つのカテゴリに分類するというステップをふむことになります。

具体的にいえば、自分を取りまく要因を次の要領で書き出してみる、ということです。

  • 強み・・・これまでの経験から得た知識や技術、考え方や習慣。
  • 弱み・・・これまでに達成、克服できていないこと。
  • 機会・・・社会全体の動きや流行から、今後自分が社会に貢献できそうなところ。
  • 脅威・・・社会全体の動きや流行から、今後も自分の活躍が見込めないところ。

これを、先ほどの企業の分類とあわせてみたときに、マッチする点が多ければ、この企業との相性がよく、マッチする点が少なければ相性が悪いということで、企業の絞り込みができるというわけです。

おわりに

就職活動において、応募する会社の企業分析はぜひ行っておきたいものです。企業分析はさまざまな方法で行うことができますし、早めに企業分析に着手することで、細かい点までしっかりとチェックすることが可能となります。自分に合った、働きがいのある企業をみつけるためにも、余裕をもって取り組むことをおすすめします。

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LIMO編集部