12月13日は公的年金の支給日でした。リタイア後の生活で大切な収入源となる「国民年金と厚生年金」ですが、年金収入だけで生活できないシニア世帯は少なくありません。ファイナンシャルアドバイザーである筆者は、職業柄、こういったシニア世帯からのご相談を多くいただいております。

今回は現在の65歳以上の無職夫婦世帯の生活状況に焦点を当て、貯蓄額・年金月額・家計事情を年代別の早見表にまとめました。

ご自身の生活水準や収支と比較し、将来に向けた一歩を考えるための参考にしてみてください。

1. 【65歳以上・無職二人以上世帯】シニアの平均貯蓄額はどのくらい?

総務省の「家計調査報告」を参考に、65歳以上・無職二人以上世帯の平均貯蓄額を確認していきましょう。

【写真1枚目/全5枚】65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額。では勤労世帯も含む平均はいくら?次の写真をチェック

65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」

2023年は、前年に比べて6.1%(145万円)増加し、65歳以上・無職二人以上世帯の平均貯蓄額は2504万円となっています。

なお、2018年からのデータを確認すると、65歳以上の無職二人以上世帯における平均貯蓄額は、着実に増加していることがわかります。

1.1 【65歳以上・無職二人以上世帯】2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移

  • 2018年:2233万円
  • 2019年:2218万円
  • 2020年:2292万円
  • 2021年:2342万円
  • 2022年:2359万円
  • 2023年:2504万円

次に、65歳以上・無職二人以上世帯が保有する資産の内訳やその推移について、詳しく見ていきましょう。

1.2 【65歳以上・無職二人以上世帯】保有資産の内訳

  • 有価証券:480万円
  • 生命保険など:413万円
  • 定期性預貯金*:846万円
  • 通貨性預貯金**:754万円
  • 金融機関外:11万円

65歳以上の世帯が保有する資産のうち、特に多いのが定期預金(846万円)と普通預金(754万円)です。

しかし、定期預金の保有額は年々減少しており、2018年と比べると125万円減少しています。

一方、普通預金は増加傾向にあり、2018年との比較で249万円の増加が見られます。

定期預金と普通預金の合計は年々増えており、リスクを避ける傾向が強い日本人の資産運用スタイルが反映されていると考えられます。

また、有価証券の保有額は480万円となり、前年比で80万円増加しています。

この増加の要因として、NISAやiDeCoなどの税制優遇措置が拡充されていること、また低金利が続いたため投資商品への資金移動が進んだことが挙げられます。

*ゆうちょ銀行の定額貯金や定期貯金,銀行や信用金庫などの金融機関の各種定期預金,定期積金などをさす

**ゆうちょ銀行の通常貯金,銀行や信用金庫などの金融機関の普通預金,当座預金,通知預金,納税準備預金などをさす