2024年から新NISAがスタートし、資産運用を取り入れる方が増えたことで、株式市場の変動が私たちの日常生活にも影響を与える時代となっています。  

老後資金の準備手段として、新NISAの中でも積立投資が注目を集めています。積立投資を行うことで、少額からでも時間をかけて資産形成を目指すことが可能です。  

今回は、50歳代から積立投資を開始し、65歳まで運用を続けた場合に、どの程度の資産を準備できるのかを検証していきます。  

投資金額や利回り、期間によって結果は異なりますが、今回のシミュレーションを通じて、50歳代からでもどのような資産形成が可能なのかを具体的にイメージできる内容になれば幸いです。 

1. リタイア目前!50歳代の貯蓄事情を確認「単身世帯の貯蓄平均は1391万円」

50歳代になると、定年後の生活について考える人も増えてきます。

老後に備えて貯蓄を始めている人も多いかもしれませんが、同じ年代の人が実際にどれくらい貯蓄しているのか気になっている人もいるでしょう。

そこで、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」を参考に、50歳代の貯蓄状況を「単身世帯」と「二人以上世帯」に分けて見ていきましょう。

※本章で取り上げる貯蓄額(金融資産保有額)は、預貯金のほか、株式、投資信託、保険などの金融商品残高も含まれています。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。

【写真1枚目/全3枚】【円グラフ】50歳代単身世帯の貯蓄額/2枚目以降【円グラフ】50歳代二人以上世帯の貯蓄額

【円グラフ】50歳代単身世帯の貯蓄額

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」をもとにLIMO編集部作成

1.1 【単身世帯】平均貯蓄額と中央値

  • 平均:1391万円
  • 中央値:80万円

1.2 【単身世帯】金額階層別の世帯割合

  • 金融資産非保有:38.3%
  • 100万円未満:11.2%
  • 100~200万円未満:5.2%
  • 200~300万円未満:2.7%
  • 300~400万円未満:3.6%
  • 400~500万円未満:3.8%
  • 500~700万円未満:4.6%
  • 700~1000万円未満:5.5%
  • 1000~1500万円未満:4.9%
  • 1500~2000万円未満:4.1%
  • 2000~3000万円未満:4.4%
  • 3000万円以上:9.3%

50歳代の単身世帯における平均貯蓄額は1391万円ですが、実態により近いとされる貯蓄中央値は80万円であり、平均値と中央値に大きな差が生じています。

次に、二人以上世帯の貯蓄状況を見てみましょう。