2024年12月20日に総務省より公表された「2020年基準消費者物価指数全国2024年(令和6年)11月分」によると、総合指数は110.0となり前年同月比で2.9%上昇しています。

食費や生活用品も値上がり傾向にあり、将来の生活に不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、本格的な年金生活に入る60歳代シニアの年金月額や平均貯蓄額について紹介します。

記事後半では、元銀行員の筆者が老後にかかるお金に備える方法も解説します。

1. 【60歳代シニア】厚生年金と国民年金の平均年金月額

ここでは、2024年12月に公表された厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」のデータをもとに、60歳代の厚生年金と国民年金の平均年金月額を紹介します。

【60歳代】厚生年金・国民年金の平均年金月額1/4

【60歳代】厚生年金・国民年金の平均年金月額

出所:厚生労働省年金局「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

1.1 【60歳代シニア】厚生年金の平均年金月額

  • 60歳:9万6492円
  • 61歳:10万317円
  • 62歳:6万3244円
  • 63歳:6万5313円
  • 64歳:8万1700円
  • 65歳:14万5876円
  • 66歳:14万8285円
  • 67歳:14万9205円
  • 68歳:14万7862円
  • 69歳:14万5960円

厚生年金は、会社員が加入する年金です。

受給する年金額は、現役時代の給与額や支払った年数などにより異なります。

1.2 【60歳代シニア】国民年金の平均年金月額

  • 60歳:4万3638円
  • 61歳:4万4663円
  • 62歳:4万3447円
  • 63歳:4万5035円
  • 64歳:4万6053円
  • 65歳:5万9599円
  • 66歳:5万9510円
  • 67歳:5万9475円
  • 68歳:5万9194円
  • 69歳:5万8972円

国民年金は、日本に住んでいる20歳から60歳未満までのすべての人が原則加入します。

原則、65歳から支給開始で、納付した期間等に応じて給付額が決まります。

2. 【60歳代シニア】平均貯蓄額と中央値

ここでは、J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査」のデータをもとに、60歳代シニア世代の貯蓄額と中央値を紹介します。

【60歳代シニア】平均貯蓄額と中央値2/4

【60歳代シニア】平均貯蓄額と中央値

出所:J-FLEC「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに筆者作成

【60歳代】貯蓄額の平均と中央値

  • 二人以上世帯:平均:2033万円・中央値:650万円
  • 単身世帯:平均:1679万円・中央値:350万円

二人以上世帯のほうが、単身世帯よりも貯蓄平均額も中央値も多くなっています。

中央値は、極端な数値の影響を受けない特徴があり、貯蓄額においても中央値のほうが現状により近い数値を出しています。

そのため、貯蓄額中央値のほうが、より現状に近い数値を表しています。

60歳代は退職金をもらい、一時的にでも貯蓄額が増えていると思われがちですが、中央値を見ると大きく増えてはいないことがわかります。

続いて、元銀行員の筆者が、老後にかかるお金に備える方法を3つ、紹介します。

3. 老後にかかるお金に備える方法3選

本格的な年金生活に入ると、生活資金や病気、ケガに備えるお金などを受給する年金収入でまかなわなければいけません。

年金収入で不足する分は、現役時代に備えた貯蓄を取り崩したり、他の収入で補ったりする必要があります。

ここでは、老後にかかるお金に備える方法を3つ紹介します。

3.1 収支の見直しをして無駄な支出を減らす

年金収入のみの生活に入る前に、収支の見直しをしておきましょう。

無駄な支出を減らして家計を整える必要があります。

家計の支出で、もっとも効率よく節約できるのは「固定費」です。

利用していないサブスクリプションサービスの料金や、携帯電話の通信費、保険料、車関係費などを見直してみましょう。

3.2 働けるうちは働いて収入を増やす

働ける間は働いて収入を増やしておきましょう。

定年年齢も65歳へ引き上げになったり、定年後も引き続いて雇用する再雇用制度の制度も整い、高齢者でも働き続ける環境は整ってきています。

内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)」によると、2023年の労働力人口は6925万人でした。

労働力人口のうち65~69歳は394万人、70歳以上は537万人で、65歳以上の割合は13.4%と上昇傾向です。

体調をみながら勤務時間を調整し、無理のない範囲で働き続けることも検討しましょう。

3.3 新NISAを利用して資産運用する

NISAのポイント4/4

NISAのポイント

出所:金融庁「NISAを知る」

新NISAは、株式や投資信託などの運用をした際の売却益が非課税になる制度です。

つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円の運用が可能です。

つみたて投資枠を活用して、毎月一定額を積み立てることで、安定した資産形成が期待できます。

長期間の資産運用は、複利効果もあり、より資産を増やせることがあります。

また、効果的に資産を増やすために、ボーナスなどの臨時収入を成長投資枠への追加投資を検討するのも良いでしょう。

新NISAでは幅広い商品に投資ができますが、一方で資産運用には一定のリスクが伴います。ライフプランやリスク許容度に合わせた運用を行いましょう。

4. 老後に備えて早めに準備しよう

60歳代の厚生年金平均年金月額は9~14万円、国民年金は4~5万円と、年金収入のみでの生活は難しいとわかりました。

家計の収支見直しや収入源の確保をするなど家計を整えて、老後資金の準備は早めに始めましょう。

投資はリスクをともないます。

資産運用は、制度や金融商品について公式ホームページや新聞、ニュースなどで情報収集して、十分検討してから始めましょう。

参考資料

円城 美由紀