2024年からより自由度が高くなったNISAですが、「本当にメリットはあるの?」と疑問を抱える人もいるでしょう。

本記事では失敗例や注意点をふまえ、正しくNISAを活用するための知識をわかりやすく紹介します。

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1. NISAとはどんな制度?

NISA(少額投資非課税制度)は、投資信託や株式の配当や売却益が非課税になる仕組みです。2024年からは非課税保有期間が無期限化した上に投資可能金額も拡大。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つを同時に利用でき、年間投資可能額は最大360万円、生涯投資上限は1800万円となっています。

少額から始められ、金融資産形成をめざす初心者にも非常に魅力的な制度といえます。

1.1  iDeCoとの違い

iDeCoは掛金が所得控除の対象になるため、NISAより節税メリットが大きい一方、60歳までは原則引き出せません。NISAはいつでも売却可能で流動性が高いのが特徴です。将来の年金目的ならiDeCo、柔軟に資産形成したいならNISA、と使い分けるのがおすすめです。

1.2 一般の投資信託との違い

一般口座や特定口座で投資信託を運用すると、売却益や分配金に20.315%の税金がかかります。NISAなら非課税枠内の利益に税金がかからないのが大きな魅力です。ただし、投資対象商品はある程度限定されるため、自由度を重視するなら一般・特定口座も検討しましょう。

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2. NISAの主なメリット

2.1 ① 少額から投資できる

金融機関によっては100円程度から投資を始められます。つみたて投資枠・成長投資枠どちらでも少額購入が可能なので、投資経験がない人でも手を出しやすいのが魅力です。

2.2 ② 配当や売却益が非課税

一般・特定口座だと約20%課税される配当金や売却益が、NISA口座であれば非課税となります。投資のうまみを最大化するうえで、課税額が減ることは大きなメリットです。

2.3 ③ 非課税保有期間が無期限

非課税で保有できる期間に期限がなく、一度購入した商品はずっと非課税の対象となります。長期運用ができるほど、時間を味方につけて複利効果を期待しやすくなるでしょう。

2.4 ④ 最大1800万円まで投資可能

一生涯で投資できる額は1800万円です。つみたて投資枠・成長投資枠のうち、成長投資枠として1200万円まで利用できますが、つみたて投資枠だけで1800万円を使うことも可能です。手持ち資金や投資方針にあわせて選択できます。

2.5 ⑤ 投資枠を併用できる

成長投資枠(年間240万円)とつみたて投資枠(年間120万円)を同時に使えば、年間で最大360万円まで投資が可能です。異なるリスク・リターンの商品を組み合わせ、多角的な運用をめざせます。

2.6 ⑥ いつでも引き出しOK

株式や投資信託を売却すれば、いつでも現金化できます。運用途中で資金が必要になっても引き出しができるため、人生のライフイベントに合わせた柔軟な対応がしやすい制度です。

3. NISAはデメリットしかない?意外な4つの注意点

3.1 ① 元本保証ではない

NISAはあくまで投資制度のため、元本保証はありません。値動きが激しい商品を短期で売買すると、損失が出やすくなる点に注意が必要です。余裕資金での運用が望ましいでしょう。

3.2 ② 自分で判断する場面が多い

投資先や金融機関の選択、売却タイミングなどを自分で決めなければならないのがNISAの特徴です。知識不足で焦って決めると失敗リスクが高まるため、専門家への相談も検討しましょう。

3.3 ③ 売却タイミングが難しい

非課税保有期間が無期限になったからこそ、いつ売ればいいか迷うことも多くなるでしょう。価格が下がったときに慌てて売却すると、長期で見込めたはずの成長分を逃しかねないので要注意です。

3.4 ④ 節税は運用次第で変わる

iDeCoは拠出時点で節税効果がありますが、NISAは利益が出ないと非課税メリットが得にくい制度です。もし運用がマイナスなら税金がかからず、非課税の恩恵を感じにくい可能性があります。

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4. NISAで起こりやすい失敗例と損しないためのコツ

4.1 価格変動で焦って売る

価格の上下動に一喜一憂し、下落のタイミングで焦って売却してしまうと、長期運用なら得られたかもしれないリターンを逃すことになりかねません。なるべく長期視点で、相場に振り回されずに運用することを心がけましょう。

4.2 成長性の低い商品を選ぶ

せっかく非課税枠を使っても、成長の見込めない銘柄に投資すると旨味を得られません。世界分散や指数連動型など、安定した成長が期待できるファンドを選ぶのが無難です。

4.3 非課税枠の復活を勘違い

NISAは売却した分、投資枠が復活する仕組みですが、年内に売却しても、その分の非課税枠は即時復活するわけではありません。翌年以降の枠として再度使える仕組みなので、急いで売買しても当年内に枠を取り戻せない点に留意しておきましょう。

5. NISAはこんな人におすすめ

5.1 少額から積立を始めたい人

「投資に興味はあるけど、怖いから最初は小額で…」という人に最適です。月々数百円からでもコツコツ積み立てれば、投資の仕組みや値動きに慣れることができます。

5.2 長期視点で資産を増やしたい人

無期限非課税化により、長期的に運用するほどリターンの可能性が高まります。「老後や将来の資金をコツコツ増やしたい」という人ほど、NISAの強みを活かせるでしょう。

5.3 柔軟に運用を行いたい人

必要に応じて売却や積立額の調整ができる柔軟性はNISAならではです。iDeCoのように引き出し制限が厳しくないため、ライフイベントに合わせて資金を自由にやりくりできます。

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6. NISAに関する初心者の疑問にプロが回答

6.1 Q. どこでNISAを始めればいい?

多くの銀行や証券会社で取り扱いがありますが、取り扱い商品や手数料に違いがあります。ネット証券は低コストなのが特徴ですが、対面でのサポートは基本的にありません。一方の銀行などでは対面のサポートが受けられる一方で手数料は高くなりがちです。

また、一般的に銀行よりもネット証券のほうが商品ラインナップは豊富です。このあたりを比較して自分に合ったところを選びましょう。

6.2 Q. 商品はどうやって選ぶのが正解?

基本は、成長を期待できる株式や投資信託を選ぶのがおすすめです。特に世界分散が可能な投資信託なら、値上がりや分配金が期待しやすいです。商品によってリスクも異なるため、目的に合ったものを厳選しましょう。

6.3 Q. 成長投資枠とつみたて投資枠、どちらがいい?

長期目線でコツコツ資産形成するなら「つみたて投資枠」がおすすめです。一方でまとまったお金を投資したいなら「成長投資枠」も選択肢になるでしょう。ただし、一括投資にはリスクがあるため、特に投資初心者の人は慎重に行いましょう。

6.4 Q. 売却のタイミングに迷ったら?

資金が必要になる時期や目標額を基準に考えましょう。数年先まで使わないお金は引き続き運用し、必要時期が近づいたら徐々に売却を検討するとよいでしょう。

7. NISAの特徴を理解し、上手に活用しよう

NISAは資産運用に非常に有効な制度で、多くのメリットがあります。しかし一方でデメリットもないわけではありません。そのため、活用する上では制度の特徴をきちんと理解することが大切です。

投資方針や資金状況に合わせて使えば、大きな節税効果と資産増を狙えます。制度改正により幅広い投資スタイルに対応した今こそ、NISAを上手に活用してみてはいかがでしょうか?

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参考資料

金融庁「あなたとNISA(少額投資非課税制度)」
金融庁「NISA早わかりガイドブック」

マネイロ編集部