4. アドバイザーが考える「資産運用のコツ」を直伝
50歳代で資産運用を考える場合、ある程度のリターンを見込まないと、少額での資産形成は難しい現実があります。
老後までの期間が限られている場合、計画的に資産を増やすためには「リスクを分散すること」が欠かせません。
まずは、積立投資を利用してタイミングを分けて投資を行いましょう。
一度に大きな金額を投資して利益を早急に追求しようとすると、リスクが高くなります。
少しずつ積み立てていくことで、リスクを分散しながら安定的に資産を増やしていくことが可能です。
また、特定の地域や業界に偏らず、分散投資をすることが重要です。
老後までの時間が短いほど、運用利回りを高く求めがちですが、リスク分散をしっかり行うことで、より安定した資産形成が可能になります。
積立投資と分散投資を組み合わせて、着実に資産を増やしていきましょう。
5. まとめにかえて
本記事では新NISAを活用した積立投資で50歳から65歳までに「1000万円」つくるために必要な積立額がいくらかシミュレーションしてきました。
高い利回りを目指す運用をする場合、それに伴うリスクも大きくなります。特に運用期間が短い場合には、一定のリスクを受け入れる必要が出てきます。
資産運用の世界では「時間」が最大の味方になります。時間を味方につけて長期的に運用を行うことで、リスクを抑えながら資産を増やす期待がもてます。そのため、できるだけ早い段階で準備を始めることが非常に重要です。
また、資産を「増やす」ことだけでなく、「守る」ことも老後資金の準備において欠かせない視点です。万が一、病気やケガで働けなくなり収入が途絶えたり、支出が増えたりするリスクはゼロではありません。そのような事態が起きると、計画していた積立投資が継続できなくなる恐れがあります。
こうしたリスクに備えて、万が一の際にも運用を続けられる体制を整えておくことが重要です。例えば、緊急時に使える生活防衛資金を確保しておくことや、適切な保険を検討することも一つの対策です。
老後資金の準備においては、「攻め」と「守り」のバランスを取ることが大切です。これらを意識しながら運用に取り組むことで、安定的に老後の資金を準備する道筋を作っていけるのではないでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 金融庁「つみたてシミュレーター」
- 金融庁「長期・積立・分散投資とNISA制度」
堀江 啓介