2025年1月、次の年金額が公表されました。
厚生労働省によると、国民年金(老齢基礎年金)の満額は6万9308円、夫婦2人分の厚生年金(老齢厚生年金)は23万2784円になるとのことで、いずれも1.9%の増額です。
ただし、素直に喜べないシニアは少なくないのではないでしょうか。
本記事では2025年度の最新の年金額に加え、物価上昇との兼ね合いや「天引きされるお金」について解説していきます。
1. 公的年金の仕組みはどうなっている?
国民年金と厚生年金の金額が公表されたものの、両者の違いがはっきりわからないという現役世代の方もいます。
まずは日本の公的年金制度について確認しておきましょう。
日本の年金は「国民年金(基礎年金)と厚生年金」の2階建て構造となっています。
1階部分の国民年金には、日本に住む20歳から60歳までの原則すべての人が加入します。
保険料は全員一律ですが、「払っていない」という人もいるでしょう。国民年金加入者は第1号被保険者~第3号被保険者にわかれ、国民年金保険料を単体で納めるのは第1号被保険者のみだからです。
第2号被保険者は、後述する厚生年金に加入して保険料を納めます。
第1号被保険者の場合、40年間保険料を納めれば満額の老齢基礎年金が受け取れますし、未納や免除期間があればその分が引かれます。
2階部分である厚生年金には、会社員や公務員、またパートで特定適用事業所に働き一定要件を満たした方(第2号被保険者)が、国民年金に上乗せで加入します。
厚生年金保険料は収入に応じて変わり、給与天引きで納めます(上限あり)。
国民年金のように満額という概念はなく、加入期間や納めた保険料によりかなり幅のある受給額となります。個人差が大きく出やすいといえるでしょう。
次章では、2025年度の年金額を詳しく見ていきます。