4.5 年金天引きにならなくても…
以上、年金から天引きされる税金や社会保険料について見ていきました。
毎年送付される年金振込通知書に、「特別徴収(控除)額」として上記の項目やその金額が記載されているので、手取り額をしっかり見るようにしましょう。
全ての人が特別徴収の対象になるわけではなく、65歳以上で年金額が年18万円以上の受給者など、それぞれに細かな要件があります。
しかし、社会保険料においては天引きの要件を満たさなくても、「普通徴収」として納付書等で納める必要があるので、負担は変わりません。
老後のシミュレーションにおいては、税金や社会保険料の負担も見据えておきましょう。
5. まとめにかえて
2025年度の年金額を見ていきました。
今年度に比べ1.9%の増額となる見込みです。「年金が増える」ことに対し、意外に感じる人も少なくないでしょう。
しかし、実際には物価上昇率が上回るため目減りとなります。今後も物価上昇が続くことで、シニアのお金事情が厳しくなることが考えられるでしょう。
「年金だけに頼るつもり」ではなく、「年金に頼らず自分で老後資金を準備する」という考え方をする人も多いかと思います。
この時に重要となるのは、いつまでに・いくら・どのような方法で貯めるかというシミュレーションです。
年金額はねんきんネットや公的年金シミュレーターなどで詳細に試算できるので、将来のキャリアチェンジなども踏まえてシミュレーションしてみましょう。
その上で、個人にあった対策を考えることが必要です。
参考資料
太田 彩子