3. 2025年度の年金「1.9%増」でも素直に喜べない理由

2025年度の年金増額が決まり、これで3年連続の引上げとなっています。この事実だけを聞くと、「今のシニアは年金が増えてうらやましい」と思えるものです。

しかし、昨今はインフレにより物価や賃金が上昇しています。実は、年金支給額の増加割合は物価や賃金の上昇割合を上回っていないのです。

つまり、実質的に年金が増えているとはいえません。

もう少し具体的に見ると、2024年度の名目賃金変動率は+2.3%・物価変動率は+2.7%であるのに対し、年金の増額割合は+1.9%です。

これは「マクロ経済スライド」が発動したためです。

今回は名目賃金変動率の+2.3%からマクロ経済スライドによる調整が▲0.4%入り、+1.9%の年金増額となりました。

物価上昇ほどに年金収入が増えていないとなると、シニアの暮らしが楽になるとはいえません。

また、年金には天引きされるお金があるという点にも注意が必要です。