3.2 70歳代の二人以上世帯の貯蓄一覧(貯蓄割合・平均貯蓄額)
続いて、70歳代の二人以上世帯における貯蓄事情を確認していきます。
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
平均:1757万円
中央値:700万円
貯蓄の平均額や、貯蓄が3000万円以上の世帯の割合を見ると、単身世帯よりも貯蓄に余裕があるように感じるかもしれません。
しかし、70歳代の二人以上世帯では「金融資産非保有」の割合が19.2%に達しており、単身世帯と同様に経済的に厳しい状況に置かれている世帯も多いと考えられます。
資産や年金収入が少ない高齢者世帯にとっては、国からの給付が重要な支えとなる場合があるでしょう。
4. 自身の資産をどのように守るか
このようなインフレの状況下で、自身の資産をどのように守るかが重要な課題となっています。
現金や預金は緊急時に備える資金として非常に重要です。しかし、現在の金利はインフレ率を下回る水準にあるため、現金を預けているだけではお金の価値が徐々に目減りしてしまいます。
このことから、資産を保全・成長させるためには、インフレ率を上回る利回りを目指す運用が必要になります。
日本においても、資産運用に取り組む方が増加しており、NISAやiDeCoといった税制上優遇された制度が整備されています。
これらの制度は、初心者から経験者まで幅広く利用されており、投資額や商品選択の自由度が高いことが特徴です。ただし、運用にはリスクが伴うため、最初の一歩を踏み出すことに躊躇される方も少なくありません。
しかし、インフレ環境下で運用を行わないことは、お金を増やす機会を失うことにもつながりかねません。重要なのは、無理のない範囲で始めることと、自身のリスク許容度をしっかりと把握することです。
今の状況を機に、少しでも資産形成について考え、行動に移してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 総務省「個人住民税」
- 港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
- 国税庁「令和6年版暮らしの税情報」
- 財務省「第2 一般会計」
堀江 啓介