2024年12月10日、株式会社帝国データバンクは、生鮮食品などの値上げを反映した「カレーライス物価指数」を発表しました。この指数は、家庭の食卓への影響を示すもので、10月時点のカレーライス1皿あたりの価格は371円となりました。これは7か月連続の過去最高値の更新となります。
さらに、電気代やガス代の上昇も見られ、これが今後のカレーライス物価を押し上げる要因になる可能性が指摘されています。特に年末年始にかけては、物価が高い水準のままで推移することが予想されています。
このような物価の上昇は、現役世代の家計だけでなく、年金生活者にも影響を与える可能性があります。2024年は企業による賃上げの動きが活発化していることが話題となりましたが、年金生活者の方々にとっても無関係ではありません。
老後の生活において主な収入源となるのは公的年金です。では、実際にどの程度の年金を受け取ることができるのでしょうか。
年金受給額は個人によって異なりますが、老後資金の準備を考える上で重要なポイントとなります。物価の上昇が続く中、将来の生活に備える対策を考えるためにもぜひ参考にしてみてください。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
1. 公的年金「厚生年金と国民年金」のしくみをおさらい
日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2種類から成り立っており、これらは「2階建て構造」といわれています。
国民年金と厚生年金のそれぞれの特徴を、次章にて確認していきましょう。
1.1 国民年金(1階部分)の特徴
国民年金は、原則として、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入義務がある年金です。
保険料は一律で、年度ごとに改定され、2024年度の場合は月額1万6980円となっています。
年金額は、保険料を納付した期間に応じて決まり、2024年度の満額の国民年金額は月額6万8000円です。
1.2 厚生年金(2階部分)の特徴
公務員や会社員などは、国民年金に加えて厚生年金に加入します。
厚生年金の保険料は、毎月の給与や賞与などの報酬に応じて変わります(上限あり)。
年金額は加入期間や保険料の納付額に基づいて計算され、国民年金に上乗せして支給されます。
では、現代のシニア層が受け取っている年金額はどの程度なのでしょうか。
厚生労働省が発表した「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、年齢別に国民年金と厚生年金(国民年金を含む)の平均月額を確認していきます。