富裕層というと、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
高級車に高級住宅、また高級時計に高級な食事…様々なことを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、一方で、富裕層の実態は意外と見えてこないという声も多くあります。
野村総合研究所が発表しているデータを見ると、純金融資産が1億円以上ある「富裕層」は年々増えてきています。
今回は、そのような金融資産1億円以上の「富裕層」は日本に何パーセントいるのか、また富裕層といわれる人たちの共通点について元金融機関社員の筆者が解説していきます。
また、最後にこのような富裕層に課税を強化すべきかを考えます。
1. データで見る富裕層(その1)「純金融資産1億円以上」の富裕層は日本に何パーセントいるか
野村総合研究所による報告によれば、日本には純金融資産1億円以上の富裕層(ここでは超富裕層も含みます)が148万5000世帯存在しています。
割合にすると全体世帯数の2%程度が富裕層以上ということになります。
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯/105兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯/259兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯/258兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯/332兆円
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯/678兆円
この富裕層をさらに細かく分類すると、資産1億円以上5億円未満の「富裕層」が約2.6%(139万5000世帯)、5億円以上の「超富裕層」が約0.2%(9万世帯)を占めています。
先述したとおり、2005年以来、約62万世帯もの人々がこの富裕層に新たに加わっており、富裕層は年々増加傾向にあります。
庶民の暮らしがひっ迫するなか、富裕層が増え続けるにはどのような理由があるのでしょうか。