筆者はFPとして業務を行っていますが、皆さんのお金に対する不安が日々高まっているように感じています。

実際に物価の上昇や、少子高齢化による年金問題など老後生活が不安になるようなニュースが多いのも関係していると思われます。

お客様のご相談で一番多いのが「老後資金の準備」についてです。直近は資産運用を始めたという方も多いのではないでしょうか。

日々相場を確認するようになったという方も増えている印象を受けます。自助努力で老後資金を準備する時代に突入していますが、老後資金の柱は「年金」であることは変わりません。

皆さんは年金についてどれくらい理解されているでしょうか。厚生労働省は、11月30日は「年金の日」としています。

「国民お一人お一人、「ねんきんネット」等を活用しながら、高齢期の生活設計に思いを巡らしていただく日」として、平成26年度から毎年11月30日(いいみらい)を「年金の日」としています。

厚労省は「年金の日」にちなんで、

  • 「ねんきんネット」等を利用して年金記録や年金受給見込額を確認
  • 高齢期に備え、生活設計に思いを巡らしていただくこと

 を呼びかけています。

そこで今回は70歳代の年金額と生活費を具体的に確認していきながら老後生活についてイメージできるようにしていきます。

合わせて老後資金を効率よく準備する方法についても解説していきます。

1. 老齢年金受給世帯の約6割が「年金だけで100%生活できていない…」

厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯のうち100%年金だけで生活している世帯は41.7%です。

つまり、老齢年金を受給している世帯の約6割は、「年金だけでは生活できていないこと」がわかります。

【写真全7枚】1枚目/公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合、2枚目/厚生年金の年金一覧表

公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

では、現在のシニア世代は、毎月いくらの年金収入を得ているのでしょうか。

次章では「厚生年金・国民年金」それぞれの平均受給額を確認していきましょう。