2.4 社会保険への加入
例えば、扶養の範囲内でパートやアルバイトとして働いている方が新たに社会保険へ加入することになった場合、年金の受給額に影響が出る可能性があります。
というのも、社会保険に加入することによって在職老齢年金の対象になるため、前述の通り全部または一部の年金支給が停止するケースがあるからです。
なお、10月から社会保険の適用範囲が拡大するため、以下の要件を満たす場合は新たに加入義務が発生します。
- 使用される従業員が常時51人以上
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 所定内賃金が月額8万8000円以上(残業代・賞与を除く)
- 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
2.5 賃金や物価の変動とマクロ経済スライド
現役世代の人口減少や平均余命の伸びに合わせて、年金の給付水準が自動的に調整される「マクロ経済スライド」という仕組みが導入されています。
賃金や物価の上昇に応じて年金額も増えるのが一般的ですが、年金額の伸びを調整することによって財源の範囲内で給付を行えるように保ち、長期的に公的年金の財政を運営していくことが本制度の主な目的です。
なお、現在の制度では、マクロ経済スライドによる調整は「名目額」を下回らない範囲で行うことになっています。
3. まとめにかえて
今回解説したように、厚生年金と国民年金の振込額が10月から変わる可能性があります。
多くの場合は所得や控除額の変化によるものですが、ことし10月に関しては定額減税の影響も受けるので、10月に郵送られる年金振込通知書で確認してみましょう。
参考資料
加藤 聖人