1.1 年金だけで生活できている高齢者世帯は減っている?

続いて、厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」より、前年度の調査結果を確認していきます。

年金だけで生活する高齢者世帯の割合(前年調査)

年金だけで生活している人の割合

出所:厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」

  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:44.0%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:16.5%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.5%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:8.5%
  • 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:3.6%

2022年度の調査では、100%年金だけで生活できている高齢者世帯は全体の44%でした。2023年にかけて減少しているものの、さらに前年の調査からは増加しています。

一概に「年金だけで生活する高齢者が減っている」とは言えないでしょう。

いずれにしても、日本の公的年金制度は現役世代の人達が高齢者を支える仕組みとなっています。

少子高齢化が進む日本では、今後大幅に年金額が増えることは考えづらいでしょう。