現在、2024年度新たに住民税非課税世帯等に該当した方を対象に10万円給付が進んでいます。
給付金を受け取れるかどうかは、住民税非課税世帯に該当するかがポイントとなります。ただし、どのような基準で非課税世帯になるのか分からない、という方も多いでしょう。
そこで、今回の記事では「住民税非課税世帯」の所得の目安や、給付金制度の概要、さらに年代別に見た住民税非課税世帯の割合などをわかりやすく解説していきます。
1. 住民税非課税世帯等への「10万円給付」対象世帯・申請方法は?
現在、2024年度、新たに住民税が非課税となる世帯へ給付金10万円の支給手続きが進められています。
1.1 給付金10万円の対象世帯(※)
- 世帯全員の2024年度住民税均等割が非課税である世帯
- 世帯全員が2024年度住民税均等割のみ課税者である世帯
また、上記の対象世帯に18歳未満の児童がいる場合には、児童1人につき5万円が追加されます。
※2023年度に給付金を受け取った人(対象となったが辞退した人・未申請の人も含む)は対象外。
1.2 給付金10万円の受給方法
給付金10万円は申請が不要なケースと、必要なケースがあります。
【申請要】公金受取口座未登録などで「確認書」が届いた場合
世帯主が公金受取口座の登録をしていない場合、自治体から「確認書」が郵送されます。
口座情報等を記載し、必要書類を添付して速やかに提出しましょう。
【申請不要】マイナンバーカードに公金受取口座を登録済の場合
マイナンバーカードに公金受取口座を紐づけている場合、自治体よりお知らせが郵送されます。振込先を確認の上、変更がなければ申請は不要です。
自治体が定めるスケジュールにて、公金受取口座に給付金が振り込まれます。
手続き漏れがないように、各自治体の「申請締め切り」を確認しよう
申請期限は自治体により異なりますが、9月~10月末とする自治体が多いです。ただし、すでに申請を締め切っている自治体も。
申請期限を過ぎると給付金を受給できなくなります。お住いの自治体の情報を確認して手続き漏れのないようご注意ください。
次では、「住民税非課税世帯」に該当する所得の目安を確認していきます。
2. 「住民税非課税世帯・住民税均等割のみ課税世帯】となる条件とは?
住民税は、前年の所得をもとに決まりますが、住民税非課税世帯となる条件は自治体によって異なります。
ここでは、一例として。大阪市の条件を見てみましょう。
2.1 【住民税非課税世帯】に該当する条件:例)大阪市
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
(注)医療扶助、教育扶助など、生活扶助以外の扶助を受けているだけでは非課税にはなりません。
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
- 前年の合計所得金額が、次の算式で求めた額以下である方
(1)同一生計配偶者または扶養親族がいる場合
35万円 × (本人 + 同一生計配偶者+扶養親族)の人数+ 21万円 + 10万円
(2)同一生計配偶者および扶養親族がいない場合
35万円 + 10万円(給与所得者の場合、年収100万円以下である方が該当します。)
2.2 【住民税均等割のみ課税世帯】に該当する条件:例)大阪市
前年の総所得金額等の合計額が、以下の算式で求めた額以下となる世帯は住民税の均等割のみ課税され、所得割は非課税となります。
(1)同一生計配偶者または扶養親族がいる場合
35万円 × (本人 + 同一生計配偶者+扶養親族)の人数+ 32万円 + 10万円
(2)同一生計配偶者および扶養親族がいない場合
35万円 + 10万円(給与所得者の場合、年収100万円以下である方が該当します。)
※総所得金額等の合計額から所得割額を差し引いた金額が、上記の算式で求めた額を下回る場合、所得割の調整措置として、その下回る額が所得割額から税額控除される。
3. 住民税非課税世帯に該当する《所得の目安》
参考までに、住民税非課税世帯に該当する所得目安を確認しておきましょう。
こちらも大阪市を例に確認していきます。
【写真1枚目/全2枚】住民税非課税世帯の所得目安(大阪市の場合)。次の写真では公的年金受給者の住民税非課税世帯の所得目安(大阪市の場合)を確認。最後に年代別「住民税非課税世帯」の割合一覧表を掲載しています。1/3
上記のとおり、生計を一にする配偶者や扶養親族の人数により、基準となる所得金額が異なります。
また、公的年金を受給する世帯は下記の所得額が目安となります。
住民税非課税となる所得の目安は、給与収入よりも年金収入の方が、やや高く設定されていますね。年金だけで生活する世帯は、住民税非課税となりやすいことが分かります。
では、《年代別の住民税非課税世帯》の割合についても見てみましょう。
4. 【一覧表】年代別「住民税非課税世帯」の割合は
2024年7月5日に公表された厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」から、全世帯に占める住民税非課税世帯の割合を、年代別に見ていきます。
4.1 【年代別】住民税非課税世帯の割合
- 29歳以下:32.7%
- 30歳代:11.9%
- 40歳代:10.0%
- 50歳代:13.5%
- 60歳代:21.6%
- 70歳代:35.8%
- 80歳代:52.5%
- 65歳以上:38.1%
- 75歳以上:49.0%
住民税非課税世帯の割合は、年代が上がるにつれて高くなっていますね。30歳代~50歳代までは10パーセント台でしたが、60歳代21.6%、70歳代35.8%、80歳代52.5%と増えていきます。
一般的な老齢年金の受給スタート年齢である65歳以上になると約4割が、後期高齢者の75歳以上になると約半数が住民税非課税世帯に当てはまります。
ちなみに厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、公的年金の平均年金月額は、国民年金は5万円台、厚生年金は14万円台。ただし、実際に受け取る年金額には個人差・世帯差があります。
シニア世代の住民税非課税該当率の高さを見ると、じゅうぶんな額の公的年金を受け取れている世帯は決して多くないことが推測されます。
5. 資産を守る工夫について考える
本記事では、住民税非課税世帯等を対象とした10万円給付の概要や、住民税非課税世帯になるための所得の目安等について確認しました。
この給付金がありがたい存在となっている世帯も少なくないことでしょう。しかしながら、このような給付金は一時的なものであり、来年以降も同じような支援が必ずあるとは限りません。したがって、安定した生活を維持するためには、給付金に頼るのではなく、自ら資金を準備することが大切です。
特に老後の生活資金については、最近では銀行預金だけに頼るのではなく、資産運用を考える方も増えてきています。
資産運用にはさまざまな方法があり、株式や投資信託、債券など、リスクや期待できるリターンが異なります。
資産を守る方法のひとつとして、2024年から新たに生まれ変わった「新NISA」を選ぶ人も増えてきています。
新NISAとは、国が提供する税制優遇制度であり、主に投資信託を通じて資産運用を行います。投資信託は、運用を専門家に任せる仕組みですが、必ずしも利益が出るわけではないため、リスクもあることを理解しておく必要があります。
新NISAは少額から始められる金融機関もあるので、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
筒井 亮鳳